COLUMN
コラム
2023/03/31
自費の体外受精で患者さんが得られるメリット(浅田式不妊治療)
自費の体外受精は、当院では保険の体外受精のステップアップとして位置づけています。保険診療の範囲内では行うことが難しい検査やお薬の使用などが可能となるため、より高度な治療をおこなえるメリットがあります。患者さんそれぞれのライフスタイルに合わせた治療も可能なため、海外赴任のカップルなど長期の不妊治療が難しい方にもおすすめです。このコラムでは自費で体外受精を行うメリットについてくわしく説明します。
1. 自費の体外受精で患者さんが得られるメリット
-スクリーニング検査で、不妊原因となりうるすべての検査が網羅できる
-患者さんの状態をこまやかにモニタリングしお薬を調整できる(検査回数の制限がありません)
-受精卵を全凍結(Freeze All)で妊娠率を高められる
-1回の採卵で複数回の移植を目指し、患者さんの時間とからだの負担を軽く
-保険の体外受精では難しい症例もクリア
-1回の採卵で第2子、第3子も目指す
2. (自費)体外受精に関する費用【概算】
3. まとめ
自費の体外受精で得られるメリット
スクリーニング検査で、不妊原因となりうるすべての検査が網羅できる
当院の自費体外受精では、まず初めにスクリーニング検査を行って不妊原因の探索を行い、原因をできるだけ洗い出してから、治療方針を決定していきます。精子の運動能力を無くしてしまう抗体や、異常受精に関連する抗体、染色体の異常など不妊原因がみつかれば、すみやかにそれらに対応した治療方針をご提案いたします。
患者さんの状態をこまやかにモニタリングしお薬を調整できる
卵子の発育のしかたは年齢によるものや個人差があり、おひとりおひとり違います。ですので、診察ごとに当日のホルモンを測定し、超音波検査で卵胞の発育状態を確認してから、患者さんのお薬の処方を決定しています。卵巣刺激中は2~4日に1回ほどのペースでご受診いただきます。
全胚凍結(Freeze All)で妊娠率を高められる
えられた受精卵をすべて凍結し、別の周期で子宮内膜を作り、 凍結した受精卵を溶かして移植する方法(凍結融解胚移植)は、全胚凍結といい、当院ではFreeze Allと呼んでいます。同年齢において新鮮胚移植よりもつねに移植1回あたり数~10%妊娠率が良いことが確認されており、自費の体外受精ではすべての患者さんにおいて適応可能です。
1回の採卵で複数回の移植を目指し、患者さんの時間とからだの負担をより軽く
おひとりおひとり卵子の発育は違うため、こまやかな卵巣刺激をするためには通院回数がどうしても多くなってしまいます。さらに採卵もオペとなるため、からだに負担がかかることは否めません。
当院では患者さんに負担がかかる卵巣刺激や採卵は、できるかぎり1回、卵巣予備能によっては数回でおえられるようにし、受精させた卵はすべて凍結します。その後は患者さんの都合のよいスケジュールで移植をおこなうことで、時間とからだの負担の軽減に努めています。
保険の体外受精では難しい症例もクリア
おひとりおひとりに合わせた薬の調整やモニタリングが必要となる、重い多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方や低AMHの方、抗セントロメア抗体をお持ちの方などもしっかりと治療が可能です。
1回の採卵で第2子、第3子も目指す
幼いお子さんを連れての不妊治療は大変です。第1子の治療で受精卵をたくさん凍結できれば、第2子以降はからだへの負担が軽い移植のみとなり、何よりも卵子の老化は凍結時でストップしているメリットがあります。患者さんのお仕事や子育てのライフプランに合わせて治療が可能です。
1回の採卵で第2子・第3子を得る、体外受精の理想型を「One and Done」と呼んでいます。
(自費)体外受精に関する費用【概算】
・卵巣刺激 10~20万円(薬、注射の使用量による)※
・体外受精/顕微授精 5~50万円(卵子数、受精操作数の多さにより加算)※
・凍結保存 2.7~63.5万円(凍結数の多さにより加算)※
・凍結胚移植 20万円前後
※これ以上の金額になる方もいます。費用の内訳など詳細は、体外受精胚移植説明書とお渡しする「体外受精胚移植料金」説明書をご覧ください。
まとめ
自費の体外受精は、保険体外受精のステップアップとして、スクリーニング検査、こまやかな薬の処方や保険では難しい症例への対応のほか、患者さんのライフスタイルに合わせた不妊治療が可能であることを解説しました。自費の体外受精(浅田式不妊治療)を希望される方はこちらから診察予約をお願いいたします。