COLUMN
コラム
2023/03/31
人工授精(AIH/IUI)の治療スケジュールや費用について
人工授精は、精液所見が悪い場合やタイミング法で結果がでなかった場合に適応される治療法です。人の手が介入するのは精子が子宮に入るところまでで、受精~妊娠までの過程はタイミング法・排卵誘発の場合と同じ過程です。このコラムでは、人工授精の適応や方法、費用などについてくわしく説明していきます。
1. 人工授精(AIH)とは
2. 人工授精のメリット
3. 人工授精をおすすめするケース
4. 人工授精のスケジュール
5. まとめ
人工授精(AIH)とは
人工授精 (AIH)は、女性の排卵時期に合わせて、精子を直接子宮内に注入する方法です。精液は、提出後に雑菌を取り除くために洗浄し、濃縮して使用します。自然妊娠やタイミング法では、まず膣に精液が入ってから精子が子宮に到達するのに対し、人工授精は直接子宮に精子を注入しますので、卵管内で卵子と精子が出会う確率が高くなります。
人工授精のメリット
メリットとしては、体外受精にくらべて比較的安価な点や、精子を注入する際に使用する管は柔らかく挿入時に痛みはないので、手軽にできることがあげられます。
人工授精をおすすめするケース
・精子無力症や精子減少症で精子にやや問題はあるが、体外受精の必要性があるほどではない方(男性不妊)
・精子に問題はないが、タイミング法を3~6周期以上行っても妊娠が成立していないご夫婦 など
・勃起ができず挿入できない勃起障害(ED)がある方(男性不妊)
・勃起はするが射精がうまくいかない射精障害がある方(男性不妊)
人工授精より体外受精をおすすめするケース
・卵管が閉じている場合(卵管閉塞・卵管狭窄)
・精子の所見が著しく悪い場合
・女性が精子不動化抗体を持っている場合
・女性の年齢が高い場合
など
人工授精の治療スケジュール
女性/基本検査後、生理の3~5日目に受診し、超音波検査で子宮や卵巣の状態を確認します。お薬を使って卵胞を育てていき、排卵1~3日前に人工授精を行います。精子は一般的に卵管内で3日ぐらい、時には5日ぐらい生存していると言われています。
人工授精後は、受診して確実に排卵したことを超音波検査で確認し、血液検査で妊娠の維持に必要なホルモンの値も調べ、妊娠判定日を設定します。妊娠判定は、排卵から14~15日目です。
男性/人工授精の当日、ご自宅かクリニックで精子を容器に採取します。
人工授精の費用(保険)
・人工授精5,460円
薬の種類や量によって金額は変わりますが、1周期あたりのトータル費用はおよそ13,000~18,000円程度です。妊娠判定以降は自費となります。
体外受精へのステップアップの目安
人工授精で妊娠できた人の90%近くは、5回目までに妊娠しているため、年齢ごとの回数を目安に体外受精へステップアップすることが有効です。また、1回目で妊娠する人がもっとも多く、その後の妊娠率は横ばいとなります。
・~35歳 5回
・35~37歳 4回
・38~39歳 2~3回
・40歳~ 1~2回
■まとめ
人工授精は、女性の排卵時期に合わせて、精子を直接子宮内に注入する方法です。人工授精当日の施術は内診室で行うため、からだの負担も少ないです。ご自身で妊活している方もなかなか妊娠しないなと感じたら、早めにクリニックを受診しましょう。