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COLUMN

2023/03/24

医師(医師部)に関する紹介

真剣に生殖医療を学びたい方、私たちの仲間になりませんか

浅田レディースクリニックで生殖医療を学びたい医師に向けてのメッセージを、 浅田レディースクリニック院長、浅田義正に聞きました。(聞き手:医師 若松侑子)

若松医師:まず、どのような医師と一緒に働きたいですか?
浅田院長:いろいろな不妊治療があるため、その中でこれがよい、というものを私はずっと追求してきました。今も成績のよい不妊治療を一生懸命追求しています。
そういう治療をちゃんとやりたいという人、ちょこっとだけ勉強して開業したい、お金儲けをしたいというのではなくて、ある程度長くちゃんと勉強したいという人をこちらもちゃんと教育していきたいと思います。
私が20年余り不妊治療をやってきた知識とノウハウを、次の世代に引き継いでいきたいため、そういうことを吸収したい、と思っている医師に出会いたいです。
若松医師:生殖医療の経験がなくてもよいのでしょうか?
浅田院長:そうですね。いろいろな不妊治療があるため、必ずしも経験があることが有利に働く訳ではなくて、科学的な卵に関する考え方や、私が早くから行なっているアンチミューラリアンホルモン測定等は、どんどんリニューアルされてきて、不妊治療でもリノベーションが起こっているため、それを昔ながらの頭と昔ながらの知識で新しいことを受け付けられないのであれば、経験はむしろ新しいことを勉強する妨げになってしまいます。
経験をされていても問題ないのですが、自分の今までの知識をちゃんと上書きできて、新しいことを理解して、それを実践できるか、というのが一番大切で、頭が固くなってしまったひとに一生懸命に教えても、結局上書きができずに終わってしまうという苦い経験があるため、そういう意味で経験は問いません。
純粋にしっかりと勉強したい、という姿勢が私にとっては大事な要素です。

若松医師:浅田院長が普段の診療で心掛けていることはありますか。
浅田院長:こちらがよいものを薦めているつもりでも、患者さんは理解できていないことがあるようですし、また、患者さんの中の治療のプライオリティー(優先事項)も、私が考えているものと違うことがあります。
そのことを加味しながら、患者さんがよくわかるように説明しなければいけないな、という風に感じていますね。
また、ちょっとおかしなことを言っているな、と思ってしまうこともありますが、そのときには患者さんのバックグラウンドを推察するということも意識しています。
例えば、治療をやめたい、という話があったときに、ご主人と何かあったのかな、もしかしたらお姑さんと上手くいっていないかもしれない、だとか、直接患者さんに言うことはないのですが、そういうものも感じながら、その人に応じて説明できたらな、と思います。
科学的・医学的な真実を伝えればよい、と若い頃はそう思っていた訳ですが、患者さんは目に見えない大きな荷物を背負って来るため、見えないけれどその辺も見るように一歩引いて、時には訳のわからない要求があったときも、理解に努め、上手く説明できたらな、と考えています。

若松医師:浅田レディースクリニックで、医師として働くメリットを教えてください。
浅田院長:私もかつては、産科を手伝いながら、不妊治療をしていました。はっきり言って、不整脈が止まらず過労で死にそうになりました。
産科でお産をしながら、不妊治療というのは、私は無理だと思います。
不妊治療で一流でありたいと思い、そこで不妊治療に特化したのですが、特化したメリットが何かと言ったら、最先端の不妊治療を勉強できるし、最先端の治療を行なえる喜びがあります。
どこかで当院よりすごいことを行なっている、とは思っていません。すごいこと、というのは当院でやらなければならないという考えで、どんどん取り入れています。
不妊治療の内容は、常にトップでありたい、最先端でありたい、と思ってやってきました。
不妊治療は有難いことに、当直がありません。不妊治療に特化したとき、毎日同じベッドで同じ時間に寝られることに、こんなにも幸せなことがあるのか、と思いました。
夜中の2時や3時に起こされることはありません。夜中に辛い思いをして起きて、看護師さんからいつも機嫌が悪い、とか言われましたが、そんなときに機嫌よく起きられる人がいるのか、みんな元気、とにこにこして行ける人はまずいない、と思います。
女性医師でお子さんがいたりして、お産はできないと思われている方は、不妊治療専門なら、専門職としてやっていけるし、時間外の勤務が少ないためメリットは大きいと思います。
産科の先生よりも楽をしているのではなくて、昼は患者さんが多く非常に大変なのですが、夜はしっかり休める、という意味です。

若松医師:「ママさんドクター」については、どのようにお考えでしょうか。産婦人科における女医がすごく増えてきていると思います。
浅田院長:女性が多いのは当たり前だと思います。女医さんと一緒に仕事をする、というのも当たり前です。
女医さんが妊娠・出産・子育ての時期には、それがきちんとできて、家庭の幸せと当院での仕事が両立できるように、と本当に思っています。
当院では、不妊治療を通じて幸せを実現する、というモットーがあります。患者さんに幸せになってもらうのですが、働く側も一緒に幸せになる、ということをうたっています。自分が不幸なのに患者さんだけ幸せだと妬みになってしまって、心から喜べないため(笑)、スタッフが幸せで、患者さんにも同じように幸せになりましょう、と言えることが大事だと思うんですね。
私はアメリカにいたことがあるのですが、日本は長時間労働をし過ぎだと感じます。それが美徳とされてきたけど、私はもっと短時間で、9時~17時勤務でよい仕事をしなければいけない、という考えです。
医師の人数が増えればそういうことを実現したいと思います。
よい仕事は体が疲れていたらできないし、間違えてしまいます。実際私は2時間位外来をすると、頭がボーっとして考えられなくなるので、交代で、短時間でもよい仕事をみんなで繋いでいく、という風にしていけたら、と考えています。
不妊治療とか、婦人科というと、患者さんから女性医師ではないのですか、というような、男性差別と感じてしまう発言があります。
クリニックの中では女性も男性も関係ない、と私は思います。医療者としてプロフェッショナルであるか、ということが問題ではないでしょうか。
エンブリオロジストも、女性のみにしているクリニックはありますが、当院は男性も半分程います。
医師の採用のときに、男女をあまり考えたことがありません。
ただ育児は大変だと思いますし、社会的にそのような制度が整っている訳ではないため、これから女医さんが働きやすい環境にしなければ、ちゃんとした医療も難しくなってくる、と思っています。
当院には産休明けや、子育て中のスタッフが利用できる託児所があります。

若松医師:重なってしまうかもしれませんが、浅田レディースクリニックが求める医師像を教えてください。
浅田院長:不妊治療や、生殖医療が好きな人がいいですね。人間嫌いなものは、努力しようと思ってもだめです。
だから妊娠反応が出たときに、自分もうれしい、とか、あの卵がこの赤ちゃんになった、ということで感激するような、本当に好きだ、という気持ちが大事です。
NHKの番組のように「プロフェッショナルとは」という質問をされたら、「自分の好きなことと、職業が一致した人」というのが私の中の一つの答えです。
私は生殖医療に出会うまでものすごく時間がかかり、最初は内科からスタートしました。救急外来にはやりがいもありましたし、病棟では主治医で15人程の患者さんを診ていたときがありますが、その平均年齢は70歳以上でした。一生懸命治療をしようとしたところ、家族がもういいですよ、死ぬためにここに来たんですから何もしなくていいです、と言われたことがありました。 病棟回診は、主治医でなくても一日に一度位は医師が顔を見せたほうがよい、ということで若手医師の仕事でしたが、苦痛でしかなく、もっとしっかり患者さんを診たい、医学というよりもただ労働しているようでつまらない、と感じていました。 やはり好きにならなかったら、辞めたほうがいいと思います。早く終わってほしい、と時間を気にして時計を見ているようなら、そう思います。 誰もが生殖医療に向いているとは考えていません。生殖医療が好きだと思ったら、論文を読むのも、データをまとめるのも、苦痛がなくなります。 内科のときにどれほど論文を読もうと思っても、英語もちょっと読んだだけで、こんなのはわからない、とやめてしまっていましたが、不妊治療を始めてからは、例え英語でも一生懸命読もうとします。 生殖医療を好きになってほしいし、好きな人に集まってほしいと思います。その良さがわかるようになるまでには時間も必要で、最初は努力が必要です。生殖医療の深さがわかって初めて良さがわかると思います。

若松医師:東京での浅田レディースクリニックはどのようなものになりますか。
浅田院長:浅田レディースクリニックでこれまでやってきたことが、東京だから、と変わる訳ではないため、浅田レディースクリニックの不妊治療をちゃんとやっていきたい、との考えです。
浅田レディースクリニックの不妊治療はどういうものか、ですが、結果にこだわって、しっかりと不妊治療をする、というのが一つです。
また、なるべく早く結果を出して、子育てに入ってほしい、というのが、私が考える当院の特徴です。それが治療の根幹になると思います。
東京は人がものすごくたくさんいて、駅の中を歩くだけでも、男性も女性もまるで競争をしているようで、余裕が感じられません。
そういう意味では不妊治療のストレスもあって、気持ちのコントロールが大変だと思うのですが、当院に来たら、都会のオアシスのように、不妊治療の不安や恐怖心から解放され、安心してほっとできる空間にしたい、と最近考えるようになりました。
若松医師:休みの日は何をされていますか。
浅田院長:休みはほとんどないのですが、疲れたな、と思うときは何もしていません。何もせずぼーっとしていたり、本だけ読んだりしています。
夜に研究会があって、ホテルに宿泊したときは、昼までゆっくり寝られることが幸せだな、と感じます。
若松医師:ありがとうございました。

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