患者さまからのお手紙
2024年12月に出産された患者さまから
結婚したら、自然と子どもができると思っていました。しかし、そうではありませんでした。私は白黒はっきりさせたい性格なので、はっきりとした理由がわからずもどかしかったです。人工授精から始めましたが、一度も着床しませんでした。医師からステップアップを勧められましたが、現実を受け止められず、人工授精を繰り返し行いました。ようやく決心し、体外受精のできる浅田レディースクリニックに病院を変えました。
仕事をしながらの不妊治療は大変で、勤務の調整が必要なので、職場の上司には相談しました。私は、時間休を取りたかったのですが、上司からは、「途中でいなくなるなら、その日は休みの方がいい」と言われ、そのようにしました。なぜ風邪はどうどうと休めるのに、不妊治療は肩身の狭い思いをしなくてはいけないのか。不妊治療は治療をした人にしかその大変さ、辛さはわからないと思いました。なかなか「不妊治療してる?」とは聞きづらく、上司以外には誰にも話せませんでした。
ある日、職場の人が同じクリニックで治療をしていることがわかりました。たまたま話しているのを聞いたのです。思わず、自分も治療をしていることを話すと、共感することが多く、前より親しくなれました。「テープ痒いよね。皮膚ズタボロだよね。」辛いことも笑いながら話せていました。その人が妊娠し、不要になったテープを譲ってくれました。想いも譲られたようで、お守りのようでした。保険適応の6回をとっくに越えていたので、とても助かりました。おめでとうと思うけれど、うらやましくてしょうがなかったです。
待合室でお子さんを連れてきている人を見ると、「子どもがいるのにまだ欲しいの?ぜいたくよ。」「子どもが欲しくて通院している人がいるのに子どもなんて連れて来るなよ」そう思うことがありました。そんな自分が嫌になりました。2回流産しました。自覚のないまま妊娠し流産する。手術の後は涙が出ました。不妊治療はやめ時がわからず、ギャンブルのようでした。35歳まででやめようと思っていました。ぎりぎり34歳で妊娠・出産することができました。流産したことがあるので、周りにはなかなか妊娠の報告ができませんでした。
妊娠すると幸せいっぱいなのかと思っていましたが、生まれるまで安心なんてできませんでした。妊娠中に安定期なんてありません。生まれた子はかわいくてかわいくて。治療は辛かったけれどやってよかった。この子に会えてよかったと思いました。
患者さまからのお便り一覧
