患者さまからのお手紙
2025年02月に出産された患者さまから
今回の妊娠、出産は、第一子出産時に治療した際の、凍結した受精卵を移植しました。もともと生理不順があり子宮筋腫を摘出後、検査をしたところ多嚢胞だと分かり、治療を開始しました。タイミング法2回、人工授精2回→体外受精へのステップアップだったかと思います。どこかできっと体外受精をしてみなければ妊娠できないような気がしていたので、自己注射などの怖さはずっとあったのですが、少しでも若いうちの可能性に賭けたいと思い、人工授精からは早めにステップアップしました。
ステップアップのタイミングも早く、どの先生にあたっても、淡々と、でも丁寧に対応してくれるので、いろいろと考えすぎてしまう私には結果的によかったと思います。ストレスがかかるとすぐに生理不順になったりと直結しがちなので、少しでも暗く考えたくなく、習い事に行くような気持ちで、少しでも気楽に気楽にと思いながら通っていました。そうするためにも、ここで頑張ると決めたのだからと、クリニックの先生方と、なにより自分の身体の可能性を信じて疑わない、疑ったらやめにする、とだけは密かに決めていました。
結果的に、1回の採卵で、5つの卵子をと、決して卵子は多くはありませんでしたが、そのうち4つ胚盤胞として凍結することができました。そして1人目も、2人目もこの時の受精卵で、どちらも2回目の移植で、無事に出産までたどり着くことができました。グレードの確認や、知りたいことなど沢山出てくると思いますが、私はなるべく不妊治療に関してはSNSは見ない、先生にも教えてもらった以上の深い事は聞きませんでした。これがいいのかどうかは性格によると思いますが、世の中は本当かわからない情報で溢れている事、その一つ一つに反応していると、メンタルが想像以上に左右されてしまうこと、大切な項目は先生から必ず知らされているだろうこと、を常に意識し、自分のメンタルをできる限りコントロールできるようにはしていました。
内膜の厚さや卵のグレードごとの妊娠率を夜中に調べてしまうよりも、妊娠検査薬のフライングの線の濃さを調べてみたりするよりも、しっかり睡眠と栄養をとり、好きな音楽を聴き明るく過ごしていた方が子宮は喜ぶと思います。勿論気になってしまってしまう夜も、泣いてしまう日も多々ありました。だからこそ言えますが、何より自分の心と身体の健康を整えて、後はクリニックを信じて通うのが1番の近道だと思います。技術を持ってくださってる方は沢山いても、自分の体を整えておくのは、私にしかできないです。
本当に申し訳ないと思いつつ、友人の妊娠、出産報告を素直に喜べず、距離ができてしまうこともありましたが、当時は何よりも心の平穏を保つことを優先し、クリニックの先生方の技術を信じて治療に通ってよかった、あの時踏み出してよかった、めげずに踏ん張ってよかった、と今では心から思っています。今日がこれからの人生の中で、1番若い日であることは間違い無いので、1人でも多くの方が後悔なく時間を使えるといいなと願っています。
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