患者さまからのお手紙
2024年10月に出産された患者さまから
これから治療を始められる方、現在治療を頑張っていらっしゃる方。きっと苦しい思いと一縷の希望を抱えながら、治療に臨まれることかと思います。なぜ自分は自然に子どもを授かれないのか。何が原因なのか。いつまでこの時間は続くのか。自分を責めたり他人を羨んだりすることもあるでしょう。私もそうでした。20代で不妊治療を始め、自然妊娠が難しいと言われ、4年間治療をしました。
タイミング法、人工受精、体外受精、顕微受精......とステップアップしてもなかなか授かれず、8回の顕微授精と2回の初期流産を経験しました。そういう身体的な辛さは勿論、「子どもはまだなの?」「20代だからまだ焦らなくていいんじゃないの?」という周りからの声、治療のスケジュールと仕事を両立できず、職場に迷惑を掛けてしまう申し訳なさ、夫との意見のすれ違いなど、精神的な辛さもありました。それでも、親になりたい、子どもを授かりたいという一心で治療を続けました。
病院を3回転院し、浅田レディースクリニックで採卵・顕微授精をしていただき、妊娠・出産までたどり着けました。早産で緊急帝王切開でしたが、どんな形であれ、可愛い我が子にめぐり会えてとても幸せです。生命に関わることですから、治療を続けていれば絶対子どもを授かれるとは限らないし、絶対健康的な子どもが産まれてくるとは限りません。それでも、懸命に治療に向き合っている時間は決して無駄にはならないと思います。
パートナーや家族友人、お医者さんなど、自分を支えてくれる人のありがたさ、生命を授かることの尊さ、子どもをなかなか授かれなくても、別の幸せを見出だす大切さを、私は4年間の治療で学ぶことができました。不妊治療は孤独です。皆それぞれ違う原因を抱えていて、自分の努力が報われるとも限らなくて、ほかの人に先を越されるような気持ちになることもあります。
治療を経て妊娠・出産した人にアドバイスをもらっても、どうせ授かれたんだからいいじゃん、と言いたくなってしまう自分に嫌気が差すこともあります。でもそれは当然の感情です。治療は孤独だけれど、どうか、1人で抱え込まないでください。嫌な気持ちになってしまう自分も大切にして、親しい人に話を聞いてもらって、希望を捨てずに頑張ってください。浅田レディースクリニックの先生方は凄腕の方達ばかりです。絶対授かれるとは限らないとしても、それでも貴方の努力が報われることを祈っています。

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