患者さまからのお手紙
2024年6月に出産された患者さまから
同じように悩んでいたり、自分なんかよりも長い間たくさんの努力をされている方々もいると分かっていつつも、どうしてもいつもどこかで「なんで私だけ」と思ってしまっていました。あえて言葉を選ばずに言わせていただきますが、なんの努力もせず子供を授かれる人のことが心底羨ましく、妬ましかったです。街中で見る妊婦さんや子連れの方を直視できなかった日々を思い出すと、今でも胸が窮屈になることがあります。
きっと今治療をされている方、これから治療をしようとしてらっしゃる方、迷われている方、誰しも同じような気持ちを持ったことがあるのではないでしょうか。そんなことを考えてしまうご自身のことを、どうか、否定しないであげてください。悲しくて、辛くて、悔しくて、苦しくて、当然だと思います。それでいいんだって自分を認めてあげてください。気にしていないフリはしなくていいんです。いつ努力が実るかわからないし、実るかどうかもわからないけど、今一生懸命向き合って生きているというだけで立派なのだから、どうか、そのことだけは忘れないであげてください。そして、少し勇気が持てるなら、やらない後悔よりもやる後悔を選んでみてください。
最後に、辛くなった時はあえて空を見上げてみてください。人は上を向いていると自然と前向きな気持ちになれるそうです。私も辛い時、悲しい時、空をずっと見上げていました。不思議と心が落ち着いてきます。無理に元気にならなくていいです。でも少しだけでも、心の中の雲が薄くできたらいいなと思います。...偉そうなことを言ってすみません。
出産し、母となれた人からの励ましの言葉が、一番苦しかったり、欲しくなかったり、全然嬉しく思えなかったりすることがあるのは、私もすごくよく分かっているつもりです。でも、これらの言葉は私が治療中にかけてもらって、救われてきた言葉たちです。誰か一人でも、私が救われた言葉たちに心が少しでも軽くなってくれたら嬉しいなと思い、書かせていただきました。どんな未来を歩むことになっても、皆さんは素敵です。

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