患者さまからのお手紙
2024年2月に出産された患者さまから
家族でもない人から「子ども作らないの?」と何度も言われて、「不妊治療中なんだけど、不妊治療してるって答えたら何て返してくるんだろう」と思いながら、授かるとも限らないので「まだ考えてない」と答えていました。不妊治療までして授からなかった人って思われたら嫌だなと感じていたので。でもそう言うと「早く作った方が良い」って言われるのも嫌だし、「そんなことはわかってる」って感じですし、それほど大切な関係でもない人にいちいち説明するのも面倒くさいですし、治療期間が長くなるほど精神的にも辛くなってしまいました。
不妊治療しているんですって公にしている方もいらっしゃると思いますが、たくましいなと私は思います。伝えておいた方が理解を得られるとは思うけど、私は言えなかったです。不妊治療は人によって全く違うから難しいのですよね。堂々と言える、理解のある環境になると良いなと思います。仕方がないのですが急に通院が必要になることも辛かったです。時間に融通がきく仕事でないと治療は難しいかもしれません。自然妊娠なら使わなくても良いお金や薬、通院時間やスケジュールを管理する労力、痛みを伴う治療、日々重なる年齢、妊娠できるかわからない不安、金銭的、肉体的、精神的、社会的にも辛いですよね。
頑張ったからといって必ず報われるわけではないので。私の場合、体外受精で初めて妊娠、流産も経験しました。その後妊娠せず、染色体検査も提案されました。今は元気な赤ちゃんを出産できましたが、妊娠中は赤ちゃん用品を準備するのも、怖かったです。赤ちゃんに会えることを期待して、また流産してしまったら、準備した物を見て余計に悲しくなるだろうと思いました。自分ではどうすることもできなかった辛い経験をした時は、理解ある人やカウンセラーさんに頼って、いっぱい泣いて、心と体を休められると良いですね。他人の心ない言葉などに気を留めず、自分を大切にして、幸せになられることを願います。
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