患者さまからのお手紙
2023年10月に出産された患者さまから
掲載日:2024年7月19日
不妊治療はやらなくて済むならそれが一番いいと今でも思っています。周りと比べては落ち込み、検査結果に一喜一憂し、経済的負担だって大きいです。どうして私のところに赤ちゃんは自然と来てくれないの?今までの何がいけなかったんだろう。自問自答の日々でした。けれど、不妊治療を通して自分の身体のことを知ることができました。赤ちゃんは自然と授かる、授かったらそのまま順調に育つものだと何となく感じていた夫が「妊娠は奇跡の積み重ね」という事を実感してくれました。
あの日、クリニックに行ってみよう、治療を始めてみよう、赤ちゃんに1日でも早く会える選択をしよう、そう踏み出した自分達がいたから、今日私は我が子を抱く事ができています。不妊治療は私達にとってこの子と出会う為に必要な経験と過程でした。 終わり(妊娠、出産)があるのか確約されてはいない中、辛い事も沢山あったけれど、自分達で決めた道をプロフェッショナルの先生や看護師さん、技術者の方々の力を借りて、諦めずに進んでよかったと今では心から思います。
これを読んでいる方の中には、不妊治療や移植に対して迷いや葛藤を抱えている方もいると思います。周りの理解が得られず孤独を感じている方もいるかもしれません。進むも止めるも自分次第って怖いですよね。私は進んでよかったと、妊娠できなかった時や流産の時も止まらずに突き進んでよかったと思います。直接力にはなれないですし、励ましなんておこがましいと思いますが、読んでくださった方が「こーゆー人もいるんだな、私達はどうしていこうかな」くらいに感じてもらえたら嬉しいです。
できれば望んだ未来が訪れますように、そうでなくても納得した前向きな選択ができますように。
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