患者さまからのお手紙
2022年05月に出産された患者さまから
掲載日:2023年3月10日
私は通算約2年の不妊治療を経て第一子を妊娠し、この度無事出産に至ることができました。
私が妊活を始めた頃は、避妊をやめればすぐに妊娠できるものだと安易に考えていました。ところが1年経っても妊娠の兆しは全くなく、友人の妊娠報告に焦る毎日でした。決断できずにずるずると日が経ち重い腰をあげて不妊治療を始めてからは、仕事の休みを調整して通院することに苦労し、上司の理解も得られず何度仕事を辞めようと思ったかわかりません。そんな中で化学流産を2度経験し、治療の終わりも見えず、私はもう出産をすることはできないのではないかと絶望したこともあります。毎日怖かった自己注射も、痛みに泣いてしまった採卵も、祈る思いで過ごした凍結胚移植後の日々も、どれも辛くて仕方がなかったです。陽性判定後も出血が止まらず不安でたまりませんでした。ですが、それらすべてが愛しい我が子と過ごす今この瞬間に繋がっていたんだと思うと、不妊治療をがんばってよかったと心の底から思います。
不妊治療の辛さは千差万別で、しかも努力が報われるとは限りません。それでもその治療を継続するということは本当に大変なことです。不妊治療は少しでも早くスタートし、諦めずに継続することが大切だと私は思います。結果が得られず無力感に苛まれるときもありますが、そんな時こそ自暴自棄にならず自分を大切にする時間をもってください。
今この文章を読まれているあなたが、その腕に可愛い赤ちゃんを抱ける日が来ることを心から祈っています。

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