患者さまからのお手紙

2021年11月に出産された患者さまから

掲載日:2023年2月17日

結果が出るかわからないのに治療を始めること、続けることは、悩みや不安も多くもやもやとつらい日々でした。なんで自分だけ、という気持ちに私も夫もなって、親戚や友達の子供たちと会うのがつらい時期もありました。また、仕事との両立というスケジュール的、精神的なプレッシャーもありました。私の場合は、ちょうどコロナと重なり、仕事が在宅中心になったので、直属の上司1人にだけ事情を話し、仕事をしながら通院しました。病院にワークスペースが出来たのは本当にありがたかったです。
本当に妊娠するのかわからない状況に、経済的負担、不安もありました。結果が出ないのに注射が痛かったり笑、薬を飲み忘れて夫婦で大慌てしたり、結果もなかなか出ず、色んな不安や負担から涙が出ることもたくさんありました。治療は大変でしたが、『自分の人生を生きる』という軸は、自分の中でぶらさない様に決めて治療に取り組んでいました。妊娠できなかった時に落胆しすぎない様に、という為でもありましたが、『子供のための人生』ではなく、あくまで自分の人生。妊娠することが人生の目的ではない。キャリアの選択などにおいても、妊娠するしないに関係なく可能な限りは自分の人生として判断する様にしていました。
幸い顕微授精2回目で妊娠し、元気な女の子を出産しました。治療期間中は辛いことも多かったですが、我が子と今こうして過ごせていることがとても嬉しく感謝しかありません。治療に取り組んだことに後悔はありません。人生のうちの数年間、治療は辛い日々でしたが、頑張ってよかったです。治療期間中、私の場合は、結果が出るかどうかは、もう、運と思って、先生方に言われるがまま薬の服用などはしましたが、治療について詳しく調べたり、治療以外の根拠が不確かなことに必要以上に取り組んだり気にすることはやめていました。
浅田先生が説明で、一般的に言われていることが「根拠なし。不要」などきっぱりおっしゃられていたのは、「自分の努力不足のせいで不妊では」と考えてしまう精神的な負担を消してくれました。結果が出ない時の落ち込みを防ぐためにも、なるべくやめていました。また、旦那さんを巻き込んで、自分だけで抱え込まない様にするのも大切だと思います。全体的に、説明がオンライン化されていたので、貰った説明は、私の場合は夫に全て目を通してもらっていました。直接的な身体的な治療は妻がメインになりますが、治療自体は夫婦のものです。お互い面倒でも、夫に全ての説明書、動画などに目を通してもらっていました。それも大切なことだったと思います。
私の場合は、結果が出ても出なくても、気持ちをたもてるように、治療は自分の人生のほんの一部だという気持ち、(表現がおかしいですが、、)生物の実験くらいな気持ちで、取り組んでいました。本当につらくて涙が出ることがたくさんあると思います。結果が出るかどうかは誰にもわかりません。でも、後悔のない様に、自分が納得いくところまで、やってみるしかないのかなと思います。夫婦共に、自分の人生、(子供がいない今の)夫婦の人生のことを一番に考えて、結果にこだわりすぎないことが大事だと思います。

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