患者さまからのお手紙

2021年6月に出産された患者さまから

掲載日:2022年3月18日

浅田レディースクリニックさんへは2020年4月~10月までお世話になりました。その前には違うクリニックに通い、タイミング療法3か月、人工授精3回、体外受精1回(受精しなかったため肺移植はしてません)をしてきました。そのクリニックの方針に信頼を置くことができず、もう一度クリニック探しから始めようと、出会ったのが浅田レディースクリニックでした。でも転院するとまたある程度振出しに戻るし、経済的にも大丈夫か不安で勇気のいる決断でしたが、ここは自分の感覚を信じようと、旦那さんにお願いして、最終的には私の気持ちを尊重してくれました。
私の場合はAMH数値がとても高かったので、一回で頑張って取れるだけ採卵をするというスタイルが合っていると思いました。毎回採卵する必要がないことが合理的だと思いました。浅田レディースクリニックには担当医はいませんでしたが、カルテの共有はばっちりできていて、説明もわかりやすく、毎回違う医師の方に当たるので、悩み、疑問に対して色んな角度での言葉を頂くことができ、それが私にとっては良かったです。妊娠できるか、できなかったらどうしよう、いつまで続けるか、どう心を保っていこう、、ずっと自分に問いてました。だから治療方針に関しては一度納得することができたら期限を決めて信じて挑む。そう決めて頑張りました。
旦那さんとの話し合いも大事でした。最初は体外受精に積極的ではなかった旦那さんですが、何度も話し合って、友達、知り合いにも実は体外受精経験のある何人かのご夫婦がいることを知り、考えが変わっていき、私が38歳になるまで、約1年、そこまで頑張ろうという結論に至りました。結果、2度目の肺移植で、妊娠ー出産に至りました。1度目の肺移植では妊娠はしたものの心拍確認できないまま流産してしまいました。流産手術する前週は、祖父の眠るお墓で一人大泣きしたのが今でも心に残っています。もしこの子がそっちにいったら、この子のことよろしくねっておなかに手を当てて泣きました。
私はもう、喉から手が出るほど子供が欲しいんだってことを改めて痛感させられました。でもそこで沢山泣いたお陰でか、そのあとは何となく肩の力も少しぬけて、良い意味で淡々と治療生活を過ごすことができた気がします。2回目の肺移植日、手術室へ向かう扉の手前で旦那さんとニコっと微笑んで頑張ってのハイタッチをしました。嬉しい気持ちになりました。ああ、二人で挑んでるなって、私たちは良いチームだなって。そしてありがたいことに無事妊娠し、心拍確認でき、9週で産婦人科へ移りました。
最初のうちは流産が怖くて大喜びはできず、したくても気持ちを抑えていました。12週くらいの時、多めの出血があり、産婦人科で見てもらいましたら、赤ちゃんは無事で、手を振っているかのように動いていました。その時妊娠後初めて安堵と感動の涙が出て、ああ、ちゃんと生きてるんだ、赤ちゃんおなかの中で育ってるんだと実感しました。つわりもありました。コロナ禍での通勤は不安でした。妊娠後期は足の浮腫みに悩まされました。幸い、入院沙汰になるような症状は起こりませんでした。そして、38週4日目、おしるしがあり、陣痛がきて、高位破水して、、陣痛開始から1日半後、長丁場の末に無事男の子が産まれました。人生で一番の喜びと感動を味わいました。とても愛おしいです。
妊娠生活や出産の痛みは大変なものでしたが、不妊治療中の心の辛さに比べたら、私にとっては大したことではないです。それだけ不妊治療中はやっぱり心身しんどかったです。でも、人生に深みをもたらしてくれた、貴重な経験だったと思います。通院していた時は、浅田レディースクリニックに行って待合室にいる人たちを見るたび、会話をすることはないけれど、この人たちは同じ目的を抱えた仲間だと勝手に感じ、心強い気持ちになっていました。つらいのは私だけじゃないと。頑張ってください、応援してますと軽々言えるものじゃないですが、治療されている皆様に欲しい幸せが訪れるよう心から祈っています。

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