患者さまからのお手紙
2021年4月に出産された患者さまから
およそ3年半、本当に長い長い長い治療大変お世話になりました。超高齢であること、肉体的にも精神的にも疲弊していたことを考え治療を終結しようと心の準備をしていました。
その決断はとても辛く、カウンセリングを受けながらこれを最後の採卵にすると決め採卵を終えました。移植をするも徐々になくなっていく凍結胚。。。あぁ、私にはコウノトリが飛んでこない運命なのかな。。。もうこれで本当の終わり。。。最後の凍結胚の移植の際に先生にこれまで長くお世話になったお礼を伝え移植に臨みました。
そして、震えながら向かった判定日。くっきり浮かぶ判定の線に涙が止まりませんでした。しかし、これまでの流産経験や年齢を考えるとまだ喜んじゃいけないという気持ちが持ち上がり先生に「まだ喜んじゃダメですね(苦笑い)」というと「まずは、今日は喜んでいいのではないですか?」と言っていただき、(そうかこの奇跡を今日は喜ぼう)と明るい気持ちになったのを鮮明に覚えています。
その後も卒業までは毎回震えながら診察台にのぼりました。そして迎えた卒業の日も先生に最後のお礼を伝え、受付では受付の方と深く話したことがあるわけでもないのにお互いにウルウルしながら卒業の説明を受けたことも記憶に深く刻まれています。卒業後も出産まで細い細い糸の綱渡りのようでした。14W4Dで大出血し救急で病院へ絨毛膜化血腫による切迫流産により入院。2か月半の入院を経て25W4D退院しましたが、出産まで自宅安静。とにかく、ベビが無事に生まれるまで忍耐忍耐の日々でした。二晩の陣痛、陣痛促進剤からベビの心拍低下により先生たちと看護婦さんたちが飛び込んできて緊急帝王切開とフルコースでしたが、ベビが無事に生まれてくれたこの奇跡に感謝しかありませんでした。
どれほどの奇跡を手繰り寄せてこの子をこの腕に抱くことができているのかと思うと胸が熱くなります。子育てに忙殺される日々、悩む日々もこの奇跡を忘れずにいたいと思います。最後の移植の前、やっと吹っ切れて(私は私の人生を楽しんで生きていこう)と心に決めました。先生方は、私たち患者にに最大のサポートを最後までしてくださいます。
どうか、この私の体験を読まれた方もどんな結果を手にしてもあなたの人生を楽しんで生きていってください。

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