患者さまからのお手紙

2019年12月に出産された患者さまから

掲載日:2020年12月18日

私は36歳の時に乳がんと診断されました。手術、抗がん剤治療のことなど決めなくてはならないことがたくさんありましたが、当時独身であったため、今後のことも考え主治医の先生から提案された卵子凍結を行うことに決めました。浅田レディースクリックさんへ連絡したところ早急に手配をしてくださり、抗がん剤治療が始まる2ヶ月の間に2回採卵を行うことができました。その後「あの卵子はいつ使うのか」と思いながらそれでも諦めきれず、毎年保管をし続けていました。
幸いにも乳がんの治療が終わった7年後結婚することになり、主人の理解もあったため治療を受けることに決めました。しかしこの時43歳。高齢であること、凍結卵子からの妊娠は難しいと理解していたので、期限は一年と決めて「できたらラッキー。できなければ二人だけの人生も良いよね。」と二人で話し合った上で治療に臨みました。保管されていた8個の卵子のうち正常な卵子に戻ったのは4個。さらに移植できる受精卵となったのはたったの2個でした。移植は一度に2個と決めており、これが最初で最後のチャンスとなりました。そして奇跡的に妊娠。半ば諦めかけていたので、まさかできるとは思わなかった戸惑いも正直なところありましたが、やはり喜びは大きかったです。
その後妊娠7ヶ月まで夜勤もしていましたが経過は順調で、40週1日、自然分娩で元気な男児を出産しました。現在7ヶ月になりましたがとても元気に過ごしています。採卵で通院していた当時は乳がんの治療が控えていたため「今ここで採卵しても将来使うことになるのだろうか。他の人たちは子供ができる望みは私よりあるし、羨ましい。」と卑屈な考えになることもあり、精神的に参っていました。でも諦めなくて良かったです。まさかこんな生活を送ることができるとは思いませんでした。
育児では悩みも多く体力的に大変なところはありますが、息子は愛おしく、治療を受けて本当に良かったと思っています。先生をはじめ、スタッフの皆さまには大変お世話になりました。感謝という言葉で言い尽くせないほど感謝しています。育児はまだ始まったばかりですが、親子3人で楽しくほどほどに頑張りながらやっていこうと思います。治療を受けられている皆様にも赤ちゃんが訪れることを心より願っております。 

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