患者さまからのお手紙

2019年12月に出産された患者さまから

掲載日:2020年9月11日

不妊治療をする決断をする前に、様々な気持ちを抱くと思います。「子供って簡単にできないんだ...」という衝撃、「あの時、仕事で無理をしたからかな?」という後悔、「旦那さんは私と結婚して、本当によかったのかな?」という心配、「なんであの子には子供ができて、私だけできないんだ」という嫉妬、「本当に自分は、子どもがほしいのかな?」という迷い。不妊治療中も同じです。検査結果や状況が日々変わり、それらの現実を受け止めるたび、気持ちがぐちゃぐちゃなり、疲弊します。
私は高度不妊治療でありがたくも子供が産まれました。妊娠が分かった時も、妊娠中も、一歩一歩進むごとに、少しほっとするだけで流産するかもしれない、死産するかもしれないと、気持ちが晴れませんでした。そして出産した後、ようやく気付きました。自分を追い詰めていたのは、いつも自分だったんだなと思いました。勝手に、毎日苦しんでいたのです。おそらく「子供がいない自分」のことで頭がいっぱいで他のことはどうでもよくなっていて、何も感じていなかったのだと思います。不妊治療をしている自分だけが、自分ではないと思います。抱えている悩みや様々な辛い気持ちを少し横に置いて、目の前の喜びや幸せもきちんと感じることができていれば、もっといい毎日だったのではないかと、今思っています。
治療にまっすぐに向き合いながらも、自分に優しく過ごしてほしいと思います。

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