患者さまからのお手紙
2018年12月に出産された患者さまから
結婚から丸8年。ようやく我が子に会えました。結婚当初から妊娠を希望していたため、基礎体温をつけ、排卵検査薬を使うところから始め、近所の産院で簡単な不妊検査を行い、多嚢胞性卵巣症だけれども、自然妊娠も可能という言葉を信じ、そのまま数年が経ちました。
結婚4年目になり、不妊治療を専門とする病院に転院し、再度検査。やはり多嚢胞性卵巣症と言われ、排卵誘発剤を使用した、人工授精を何度かしましたが、実らず。映画 Sex and the cityで主人公の友人シャーロットが自分の体が、旦那さんの精子を殺してしまうというシーンを見て、自分もこれではないかと病院に相談。せめてフーナーテストだけでもやれないかと聞いたところ、貴方はまだ若いから大丈夫と言われました。その時32歳です。そんなものかと思いつつ、仕事も忙しかったので、また数年が経ち。仕事のストレスで甲状腺を腫らし、子宮筋腫ができ、体がボロボロになったタイミングで、一度仕事をセーブし、いよいよ浅田レディースクリニックを受診します。
まず驚いたのは、最初にすべての可能\性(不妊原因)を調べてくださること。血液検査一発で、抗精子抗体強陽性と発覚し、顕微授精以外に妊娠の可能\性がないことがわかりました。ショックというよりは、やっぱりね!!という気持ちの方が強く、顕微授精への飛び級ステップアップにも全く抵抗はありませんでした。1回目の顕微授精で妊娠し、元気な女の子を出産しました。私の親世代は顕微授精=不自然な妊娠と心配していましたが、生まれてきたが子供を見て、とても元気で、五体満足な様子にようやく、偏見だと気づいてくれたようです。
子供が生まれて5か月ですが、いまだに、寝顔を見ているだけで、喜びで涙が出そうになります。あの8年間はなんだったんだ。電車の中でマタニティーマークをつけた女性がいると必ず席を譲り、自分は一生「席を譲る側」でいなくてはいけないのかと、不安で泣き出してしまったノイローゼの日々はなんだったのかと思ってしまいます。
不妊治療は終わりの見えない旅で、実らないことももちろんあります。私は顕微授精にステップアップし、我が子に会えました。やらないで後悔するよりは、やれるところまでやったと思える方が、幸せではないかと個人的には思います。子供に会いたくて頑張る皆さんを心から応援しています。
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