患者さまからのお手紙
2017年6月に出産された患者さまから
これから治療を始められる方へこちらの病院は、先生はもちろん、スタッフの方がた、皆さまプロフェッショナルで素晴らしい方ばかりです。待ち時間は、もしかしたら多少かかるかもしれません。でもこれも含めて、赤ちゃんを待っている時間だと思うと、楽しめたらいいな、という思いでいました。
わたしはよく、本を読んでいました。それから編み物とか、コツコツとやれば、必ず何か完成するものも作っていました。サンビームなども時々やっていましたが、看護師さんとおしゃべりしてリラックスタイムにしていました。帰り道では、必ず買うクッキーがありました。出口の見えないマラソンを走っているような気持ちになる時もありましたが、あまり自分を追い込まず、楽しいことをたくさん作って、そして赤ちゃんがやってきてくれることを信じて...あなたの元にも赤ちゃんがやって来てくれることを、心より、お祈り申し上げます...
現在治療をされている方へ
なかなか人に言えずに、お辛い思いをされていらっしゃる方もたくさんいらっしゃることと思います...わたしもまず説明会に参加するのに3カ月待ち、病院に通い出して、こんなにもたくさん患者さんがいらっしゃることに本当に驚きました。先生の本やインタビュー記事などもたくさん読んで、ここに通えたことをすごくラッキーに思いましたし、仮にもしここでダメでも、こんなに最高の治療ができるのだから、諦めがつく、とも思いました。
わたしは2回採卵、3回目の融解胚移植で授かりました。でもいつ辞めよう、ということも常に考えていました。お金も時間もかかる、終わりのないマラソンに思えたからです。『不妊治療のあきらめどき』という本や、妊活して授からなかった方の記事もたくさん読みました。そうすると、子どもがいなくても素晴らしい人生を歩まれていらっしゃる方のこともたくさん見えてきて、「こんな人生も素敵だな」と、子どものいないほうの自分の楽しいイメージもできるようになりました。
わたしはたまたま授かりましたが、この経験があって、本当に良かったと思います。何もなく子どもができていたら、子育て大変、って文句タラタラだったかもしれません。でも赤ちゃんのお世話ができるということが、どんなにありがたくて奇跡的なことか、噛み締める毎日です。夫とも、病院に通っている間、たくさんのことを話し合いました。もし子どもを授からなかったら、小さい庭付きの中古の家を買って、犬を飼おう、とか、子どもが産まれたら、こんな親になりたい、とか...どうかこの時間を、辛く苦しいものととらえず、人生の並走者である旦那さまとの絆を深める、大切な時間になさってください。
そしてあなたの元にも赤ちゃんがやってきてくれることを、心よりお祈り申し上げます...
迷っていらっしゃる方へ
まずは、説明会の予約をしてみてください。今はわかりませんが、わたしの時は説明会を聞くだけでも3カ月待ちでした。そしてその間も刻一刻と、体内は変化していきます。そしてAMH検査などを受けてみてください。あとどれくらい自分に猶予があるのかも知ることができます。この世界は、残酷です。今まで勉強や仕事でたくさんの努力をして、キャリアアップもはかってきたのに、この世界だけは「若いほうがいい」と、確実に自分の年齢を意識しないといけないからです。自分の努力とかではどうにもならない世界があることに、途方にくれることも、正直あるかもしれません。
でもあなたが、自分や夫の子どもが欲しい、と少しでも思われているなら、検査だけでも受けてみてください。旦那さんが検査を受けることにもすごくハードルがあるかもしれませんが、どうぞお2人の人生、よく話し合ってみてください。
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