患者さまからのお手紙

2013年8月に出産された患者さまから

掲載日:2014年7月 4日
クリニックを卒業してから、早一年が経とうとしています。先日4ヶ月を迎えた息子のお昼寝中に、こちらを書いております。まずは、浅田先生をはじめ、クリニック関係者のみなさまに、授かった命が無事に誕生しましたことのご報告と、お礼を申し上げます。
 思い出せば、物心ついた頃から生理不順が気になっていたものの、「本格的な不妊治療をするなら35歳からだろうな」と漠然と考えていたのが、27歳の結婚当初でした。それまで、鍼やアロマ、ヨガなどを続けていれば生理不順も治ってきっと自然妊娠するはず、まだまだ夫婦二人の生活も楽しいし、と結婚後3年ほどを月日を過ごしましたが、夫の突然の病気で考えが一変。懸命にクリニックを予約して、浅田先生の「まやかしの治療で無駄な時間を過ごさないで欲しい」という言葉に、治療を決意したのが2012年の8月でした。体力的なことや、お金のことも考えて、5年間は頑張ろうと話し合って。
 結果的には、思いがけず4回目のタイミング法で妊娠。2013年8月に出産できたことに感謝でいっぱいです。ただし治療中は、排卵促進剤の副作用に苦しめられ、常に気分が悪く、仕事を辞めてしまおうかと悩んだり、「辛いなら治療をやめればいいだけ」という浅田先生の厳しいお言葉に涙が止まらない日もありました。それが、母親になる覚悟が求められていたんだと、気づかされたいま、先生方も本気で私たちに向き合ってくださっていたんだと感じました。
 また出産後に出会ったお母さんたちにも、不妊治療を経験された方が多いこと、多いこと。口には出さずとも、みなさん必死に治療を頑張っていたんだなあと出産後に驚くことも多いです。不妊の理由も治療内容もそれぞれで、どのレベルの治療だから辛いとか楽だとか、不妊治療をしているからといって、肩身の狭い思いをする必要は全くないと思います。
 不妊治療に理解ある土壌は根付いてきています。しかし生命の神秘は正解もなく、論理や科学では説明できないことばかり。治療中は、まるでゴールの見えないマラソンを走っているような気持ちになることもあるかもしれませんが、いつもそばにいるご主人としっかり向き合って、話し合い、頼って甘えて、決して一人ぼっちではないんだということを忘れないで過ごして欲しいです。
 治療をがんばる決意をされたみなさんにも、コウノトリさんが一日も早くやってきますように。かげながら応援しております。
レター

患者さまからのお便り一覧