よくある質問
よくある質問カテゴリ
停電になったら受精卵はどうなりますか。
停電になっても受精卵培養用インキュベーター全台、一部クリーンベンチ、照明や冷蔵庫は5時間稼働できるだけのバックアップ電源を備えています。停電になったら即座にそちらに切り替わりますのでご安心ください。また深夜でも胚培養士は近くに住み待機状態ですので、直ぐに駆けつけることができます。
5時間以内に復旧の目途がたたない場合は全ての受精卵を凍結することになります。
院内に設置しているバックアップ電源(UPS)についての詳細はブログでご紹介しておりますのでご興味ある方は見てください。
浅田ブログ 培養室の安全対策
品川クリニックだけでなく名古屋クリニック・勝川クリニックにも同様にバックアップ電源(UPS)を設置しております。
患者さまによって処方される薬が違うのはなぜですか?
一般的に頭痛や歯の痛み等に対しては、同じような鎮痛剤を処方することが多いので、不妊治療で処方される薬が他人とは違うということに疑問を持たれているのかと推察します。
SNS等で、色々な方がご自身の不妊治療経験を掲載されていますが、不妊治療は人それぞれ条件が違います。同じような症状であっても、他の人と違う治療や薬を処方されることは当然のことなので、SNS等で自身の治療と他の人の治療を比べて「なぜ私はこの治療法ではないのか、なぜこの薬を処方されないのか?」と心配する必要はありません。
体外受精では、まず脳下垂体ホルモンであるFSH、LHの基礎値や女性ホルモンである卵胞ホルモン(E2=エストラジオール)を調べて、AMH値(卵巣の中に残っている卵子の目安)、年齢、胞状卵胞数を参考にしながら、最初の薬の量を決定します。3~4日後にFSH、LHの血中濃度を測定し、E2の上がり具合をみて、どのように薬の量や種類を調整していくかを考えていきます。E2値が低いと、FSHのレセプターが最初から少なく、注射の効果が低いこともあるので、それも調整していきます。また、刺激の途中でE2が高くなると、LHが低くなる傾向もあるため、成熟卵をよりよく採るためにLH活性のあるhCGの低用量を加えることも行います。そのため患者さまには3~4日に1回は来院していただき、その時々の卵胞の数、卵胞の大きさ、卵胞の大きさの分布等を判断し、刺激の後半になれば黄体ホルモンの数値も考慮していきます。
E2やP4(黄体ホルモン)は、血中のFSH、LHが顆粒膜細胞に作用して作られますので、そのメカニズムも頭に描きながら、また、ある程度卵胞が育ってきたらアンタゴニストのタイミングを考えながら、卵胞の数や大きさやホルモン値から、いつ採卵を行うことが最適かの判断をしますが、これも一律ではありません。年齢とAMH値により卵胞の育ちに差が出るため、それらすべてを加味した上で一番良いタイミングで採卵を行うことを常に考えています。
料理に例えると、学校給食やチェーン店など、どこでも同じ味で提供するところでは、同じ材料、同じレシピを使用して作れば味に大きな違いはない料理ができると思いますが、レベルの高いレストランでは、旬の食材をその食材に合わせて一番おいしくなるようにその食材の特徴を考慮しながら料理方法を変えていきます。
専門の不妊治療は後者が望ましく、ヒトの場合、同じ人種であっても遺伝子の構成は大きく違いますし、人それぞれ卵子の状態や卵巣の状態も違い、AMH値も違います。
単純に"この症状にはこの薬を処方する"というような診療は、当院では行っていません。
大事なことは"どれだけ赤ちゃんになる候補である卵子や受精卵を獲得でき、早く妊娠できるのか"ということです。37歳くらいまでであれば、1人の赤ちゃんを出産するまでには十数個の卵子が必要だと言われています。ただ、これが40歳を過ぎると卵子は40個程度、43~44歳になると90個以上、45歳以上になると100個以上の卵子が必要だと言われています。これが卵子の老化により生じる結果です。ほとんどの方は、疾患があるから妊娠しにくいわけではなく、卵子の老化が主な原因で妊娠しにくくなってきますが、卵子そのものを若返らせる治療法はありません。
そのため私たちは、より多くの卵子を獲得して、早く妊娠できることを最優先として治療を行っています。
PGT-A に向いている人、向いていない人はいますか?
PGT-Aに向いている人は、受精卵・胚盤胞の数が多い人です。
PGT-Aは、胚の周りの「胎盤になる細胞」の一部を採取して染色体の数を検査します。染色体の数に異常がないものを正倍数性、多いもしくは少ない場合を異数性といいます。そして、正倍数性と異数性が混ざっている「モザイク」と言われる胚もあります。この「モザイク」と言われるものは、必ずしも異常とは限らず妊娠できる可能性もあります。
また、「胎盤になる細胞」と「赤ちゃんになる細胞」の染色体数は100%一致するわけではありません。なので、PGT-Aをして正倍数性の胚を移植したからといって、必ず妊娠するとは限りません。PGT-Aは、「妊娠できる胚」を選んでいるのではなく、「妊娠できない、あるいは、流産になる可能性の高い胚」を選別していると考えていただいた方が良いと思います。
胚が多くあれば、妊娠できない、あるいは、流産の可能性の高い胚を除いて移植することにより、妊娠率を上げるとともに妊娠までの時間短縮となります。
しかし、受精卵の数が少ない方の場合は正倍数性との結果が得られる胚がなく、結局、移植できずに採卵をくりかえすこともあるためPGT-Aのメリットがあまりありません。
結局、移植をしてみないと本当に赤ちゃんにまで育つ胚なのかは分からないというのがPGT-Aの現状です。
浅田LCでは移植や内膜検査の際に、抗生物質を処方しないのはなぜですか?
現在、感染予防で抗生物質を使わないようにというのが医学界全体の流れです。
なぜかというと、世界中で抗生物質が使用され続けた結果、抗生物質の効かない耐性菌があふれるという状況に陥っているからです(日本ではMRSAが有名です)。
従って、感染した菌が特定された場合以外は、抗生物質を使用しないというのが主流になっており、当院でも数年前から、胚移植の際の抗生物質投与は行っていません。
採卵の時には、前日に予防的に一回のみ抗生物質を投与しています。
子宮内膜検査で内膜炎になるというのは、清潔操作をしていればほとんどないことだと思います。
何か操作を行う際、清潔操作を正しくしていれば新たに菌を持ち込むことはありませんので、予防投与は必要ないはずです。
不潔なところに触り、その菌を子宮内に持ち込めばもちろん炎症が起きる可能性はありますが、検査で炎症を起こしてしまっては本末転倒です。
大切なのは清潔操作であり、何でもかんでも抗生物質で叩けばいいという昔の考えは、現在では通用しません。
実際、多くの病院で、術前・術後の抗生物質の予防投与は極端に少なくなってきており、使用する際も第一世代のシンプルなものを使用することになっています。
多くの産婦人科がお産後に感染予防の抗生物質を投与していたのも、20年から30年前の昔のことです。
妊娠判定が尿検査だけだと、着床したかどうかもわからないので今後の治療がわからないと思うのですが。
尿検査は(+)か(―)を判定する「定性検査」であり、血液検査は数値で判定する「定量検査」となります。定量検査では、この値以上であれば良く、以下であれば悪いとする"カットオフ値"を設定しなければいけません。
妊娠初期、当院でいえば4週3 日での血中hCG の値はバラツキが大きく、高めにカットオフ値を設定すれば、妊娠をしていても"妊娠はしていない"という結果となり、低めに設定すれば妊娠をしていなくても "妊娠している"という結果が出ることになります。これは昔から議論のあるところですが、施設によりカットオフ値を15IUに設定しているところもあれば、25IU や35IU のところもあり、また少しでもhCG の値が出れば、"妊娠した"と判断するクリニックもあるようです。
ただ、血中のhCG は妊娠時だけに出るものではありません。検査の1 週間前にhCG 注射を打てばhCG が血中に残っていることもありますし、高齢の女性の場合は、妊娠の有無とは関係なく、脳下垂体からhCG が少量出ているため血中のhCG が計測されることもあります。また、胃がんや肺がんの方にhCG が検出されることはよくあることです。
以上の理由により、hCG のカットオフ値が簡単には決められないことから、当院では、まず定性検査である尿検査を行っています。また、尿検査の方が、料金も安く、採血をしないので痛みもありません。
その後hCG 検査を行うのは経過観察のためで、子宮外妊娠や、1週間後に胎嚢が見えなかった時の判断のためと、考えていただければと思います。
クリニックで「患者様からのお手紙」を読んでいますと、ほとんどの方が1回目の移植で妊娠しているように思えます。 私は2回採卵6回移植をしていますが、結果が出ていません。 7回目、8回目以上の移植で、どのくらいの方が妊娠出産されているのか知りたいです。
当院のデータでは、35歳までであれば 1 回採卵して2回移植する間に半分以上の方が妊娠しています(初めて妊娠するまでの移植回数(IVF))
当院においては、どの年齢においても1、2回の移植で妊娠する人が多いですが、20代でも10回程度かかる方もあり、年齢だけが妊娠率・出産率を決定しているわけではく、カップルによって妊娠率・出産率は異なります。なので、"何歳であれば何回の移植で妊娠できる"という話ではありません。
今はPGT-Aという受精卵の染色体数の検査ができるようになっていますが、その結果を見ると、年齢によらずカップルによって正倍数性(妊娠する可能性の高い受精卵)の割合は全く異なることが分かってきました。
ですから、年齢に依存する卵子の老化とはまた別の要素で、何回の移植で妊娠にたどり着けるかは変わってきます 。
2回以上妊娠しない移植が続けば、PGT-Aで 受精卵の染色体数を調べ、正倍数性のものを選んで移植することが可能になっています。
ただ、PGT-Aで検査する細胞と赤ちゃんになる部分の細胞の染色体数が必ずしも100%一致するわけではありませんので、実際に移植しなければ結果は分かりません 。
そのため、 PGT-Aは受精卵が多くある人にとって有効な手法となります。
なぜ前核期も凍結するのですか?
当院院長は20年前に胚盤胞培養を始めましたが、胚盤胞到達率は培養液や培養器の進歩により徐々に上昇してきました。
これは、胚盤胞到達率は技術によって変わってくるということです。
近年、当院では高い胚盤胞到達率を実現していますが、胚盤胞到達率が極端に低い患者さまもいらっしゃいます。
移植の機会を確保できるよう、当院では受精卵の一部あるいは全部を前核期の段階で凍結しています。
特に受精卵の数が少ない場合・高齢の患者さまの場合は前核期での凍結保存が優先となります。
採卵当日はどのように過ごせばよいですか?してはいけないことはありますか?
当日は安静にし、感染予防のためシャワー浴でお願いします。また自転車・自動車の運転は避け、血流の良くなること(激しい運動や飲酒)は避けてください。
採卵当日の採精は早朝でも大丈夫ですか?
問題ありません。精液採取については採卵日決定した日に看護師より詳しい説明がありますので、ご不安な点があればお尋ねください。
超音波卵管造影検査は痛いですか?アレルギーがでないかも心配です。
当院では、痛みが少なく安全性の高い造影剤を、必要最少量ゆっくり入れて検査します。
超音波卵管造影検査は、卵子と精子が出会う「卵管」が開通しているかどうかを調べる検査です。
子宮に細い管を入れ、造影剤を子宮から卵管に注入して、異常がないか調べます。
当院では、X線(レントゲン)ではなく超音波を用いて診断を行います。
★当院で使用している「ExEm」について★
「ExEm Foam Kit」は、「ExEm gel」と 「ExEm water(精製水)」が入ったシリンジを接続コネクターでつなげ、両方のシリンジ間を交互に行き来させて良く混合し、乳白色の造影剤を作成する製品です。
カテーテルを用いて、作成した造影剤を滑らかに注入します。
混合に伴い発生する微小気泡が安定しているため、鮮明な超音波画像診断が可能なっています。
「ExEm gel」 は「ヒドロキシセルロース」「グリセロール」からなります。
どちらの成分も、乳化剤、安定剤、保水剤、増粘剤、潤滑剤などとして様々な食品、化粧品にも多く使用されている安全性の高い成分です。
そのため、注入時の痛みや不快感、アレルギーの心配も少ないと考えられます。
これから検査を受ける方へ
過剰に心配される必要はありませんので、リラックスして検査に臨んでください。
体外受精報告書について教えて下さい
体外受精報告書でよくいただく項目についてご説明します。
<体外受精報告書の例>
■採卵・・・採卵された卵子の状態の内訳になります。
採卵についての記載の説明
項目 | 説明 |
---|---|
採卵日 | 採卵を行った日 |
採卵個数 | 採卵された卵子の合計 |
成熟卵 | 受精操作できるまで成長していた卵子の個数 |
未熟卵 | 受精操作できるまで成長していない卵子の個数 |
変性卵 | 細胞が壊れている卵子数 |
その他 | 既に分割が始まっていたり通常より大きな卵子数 ※※当院の大きな卵子の基準は直径130µm以上 |

媒精についての記載の説明
項目 | 説明 |
---|---|
媒精 (顕微授精数/体外受精数) |
顕微授精または体外受精をおこなった個数 |
正常受精卵 | 正常な受精を確認した個数 |
正常受精未確定卵 | 正常受精している可能性のある個数 |
異常受精卵 | 正常でない受精をしている個数 |
受精せず | 受精が確認できなかった個数 |
変性卵 | 細胞が壊れてしまっていた個数 |

前核が2個見えている状態

前核が1個しか見えていない状態
正常受精している場合もあるため、
培養を継続して胚盤胞になれば凍結

前核が3個以上見えている状態や
正常な過程を経ずに分割が始まった状態

前核が確認できなかった状態

細胞が黒くなったり収縮した状態
診察時に子供をつれて行きたいのですが。
名古屋クリニック、勝川クリニックでは親子待合、プレイルームをご用意しておりますが。
スタッフは常駐していません(託児ではございません)お子様から目を離さないようお願いします。
品川クリニックでは完全予約制の親子待合室をご用意しております。
詳細はこちら
駐車場はありますか?
当クリニック専用の駐車場はございません。
お車でお越しの際は、近隣の有料駐車場をご利用ください。
現在通院中ですが、治療以外に何かできることはありませんか?
当クリニックでは下記のサプリメントを販売しています。
治療の補助としてご検討ください。
☆Asadaサプリ・・・活性酸素は体内に侵入した細菌などの異物を攻撃したり、体内の酵素反応を促したりするなど、私たちにとって大切な役割を果たしています。
活性酸素は、通常の酸素と比べて強い酸化力を持っており、これを適切に使うために、活性酸素を消去する仕組みが備わっています。
これがうまく機能していれば問題ありませんが、現代社会では、ストレスや環境悪化などの活性酸素が増加する要素が増え、その強い酸化力により、遺伝子やタンパク質等を傷つけることがあります。
また、活性酸素の除去する物質は、加齢により減少していくことが分かっており、対応するためには外部から補うことが必須となります。
活性酸素は身体の至るところで、複数の種類で発生しています。
それらに対応するためには、抗酸化ネットワークと呼ぶ複数の抗酸化物質を組み合わせる必要があります。
その観点で、まとめあげたのが「Asadaサプリ」です。
よく知られた抗酸化物質であるビタミンE(トコトリエノール)やビタミンCに加え、燃焼系にも寄与するコエンザイムQ10、L-カルニチン、カルチノイド類のアスタキサンチン及びリコピンから成ります。
最近「AsadaサプリⅡ」が出来ました。
免疫をテーマにしたサプリで腸内フローラ、子宮内フローラも意識し、ラクトフェリン、ビタミンDなども入っています。
活用して頂きたいと思います。
☆葉酸・・・妊娠を考えはじめた時から服用しましょう。
神経管閉鎖障害(無脳症や二分脊椎など)の先天異常を予防できます。
☆DHEA・・・卵が育ちにくい、卵が少ない人に服用していただきたいサプリです。
もともとアンチエージングの薬ですので、副作用はほとんど心配ありませんが、肌が油っぽくなり、吹き出物が出る場合があります。
☆マルチビタミンミネラルフォーウィメン・・・妊娠前、妊娠中に積極的に補給すべき栄養素が、バランス良く配合されています。
葉酸、ビタミンB6・B12も十分な量で配合されています。
☆アンチオキシダントフォーメン・・・L-カルニチン、葉酸、亜鉛など精子のための栄養素が、バランス良く配合されています。
※ご希望の方は医師または受付にお申し出ください。
不妊治療で使う薬と風邪薬や便秘薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか。
当院で処方した薬において、一般的に他の診療科で処方された薬、市販薬と飲み合わせが懸念されるものは特にございません。
持病がおありなど、心配でしたらどうぞ診察時にお尋ね下さい。