よくある質問

停電になったら受精卵はどうなりますか。

掲載日:2021年10月 8日

停電になっても受精卵培養用インキュベーター全台、一部クリーンベンチ、照明や冷蔵庫は5時間稼働できるだけのバックアップ電源を備えています。停電になったら即座にそちらに切り替わりますのでご安心ください。また深夜でも胚培養士は近くに住み待機状態ですので、直ぐに駆けつけることができます。
5時間以内に復旧の目途がたたない場合は全ての受精卵を凍結することになります。
院内に設置しているバックアップ電源(UPS)についての詳細はブログでご紹介しておりますのでご興味ある方は見てください。
浅田ブログ 培養室の安全対策

品川クリニックだけでなく名古屋クリニック・勝川クリニックにも同様にバックアップ電源(UPS)を設置しております。


患者さまによって処方される薬が違うのはなぜですか?

掲載日:2021年9月28日

一般的に頭痛や歯の痛み等に対しては、同じような鎮痛剤を処方することが多いので、不妊治療で処方される薬が他人とは違うということに疑問を持たれているのかと推察します。
SNS等で、色々な方がご自身の不妊治療経験を掲載されていますが、不妊治療は人それぞれ条件が違います。同じような症状であっても、他の人と違う治療や薬を処方されることは当然のことなので、SNS等で自身の治療と他の人の治療を比べて「なぜ私はこの治療法ではないのか、なぜこの薬を処方されないのか?」と心配する必要はありません。

体外受精では、まず脳下垂体ホルモンであるFSH、LHの基礎値や女性ホルモンである卵胞ホルモン(E2=エストラジオール)を調べて、AMH値(卵巣の中に残っている卵子の目安)、年齢、胞状卵胞数を参考にしながら、最初の薬の量を決定します。3~4日後にFSH、LHの血中濃度を測定し、E2の上がり具合をみて、どのように薬の量や種類を調整していくかを考えていきます。E2値が低いと、FSHのレセプターが最初から少なく、注射の効果が低いこともあるので、それも調整していきます。また、刺激の途中でE2が高くなると、LHが低くなる傾向もあるため、成熟卵をよりよく採るためにLH活性のあるhCGの低用量を加えることも行います。そのため患者さまには3~4日に1回は来院していただき、その時々の卵胞の数、卵胞の大きさ、卵胞の大きさの分布等を判断し、刺激の後半になれば黄体ホルモンの数値も考慮していきます。
E2やP4(黄体ホルモン)は、血中のFSH、LHが顆粒膜細胞に作用して作られますので、そのメカニズムも頭に描きながら、また、ある程度卵胞が育ってきたらアンタゴニストのタイミングを考えながら、卵胞の数や大きさやホルモン値から、いつ採卵を行うことが最適かの判断をしますが、これも一律ではありません。年齢とAMH値により卵胞の育ちに差が出るため、それらすべてを加味した上で一番良いタイミングで採卵を行うことを常に考えています。

料理に例えると、学校給食やチェーン店など、どこでも同じ味で提供するところでは、同じ材料、同じレシピを使用して作れば味に大きな違いはない料理ができると思いますが、レベルの高いレストランでは、旬の食材をその食材に合わせて一番おいしくなるようにその食材の特徴を考慮しながら料理方法を変えていきます。
専門の不妊治療は後者が望ましく、ヒトの場合、同じ人種であっても遺伝子の構成は大きく違いますし、人それぞれ卵子の状態や卵巣の状態も違い、AMH値も違います。
単純に"この症状にはこの薬を処方する"というような診療は、当院では行っていません。

大事なことは"どれだけ赤ちゃんになる候補である卵子や受精卵を獲得でき、早く妊娠できるのか"ということです。37歳くらいまでであれば、1人の赤ちゃんを出産するまでには十数個の卵子が必要だと言われています。ただ、これが40歳を過ぎると卵子は40個程度、43~44歳になると90個以上、45歳以上になると100個以上の卵子が必要だと言われています。これが卵子の老化により生じる結果です。ほとんどの方は、疾患があるから妊娠しにくいわけではなく、卵子の老化が主な原因で妊娠しにくくなってきますが、卵子そのものを若返らせる治療法はありません。
そのため私たちは、より多くの卵子を獲得して、早く妊娠できることを最優先として治療を行っています。


38歳でPGT-Aを実施した場合、胚盤胞の何個に1個正倍数性がありますか?

掲載日:2021年9月21日

一般的に、38~40 歳くらいになると、一人の赤ちゃんが生まれるのに、平均して20 数個の卵子が必要だと言われています。
現在のPGT-A は、反復ART不成功例や二回流産を繰り返した人、と比較的妊娠しづらい人を対象としているので、PGT-A の結果はそれほど良いものではありません。胚盤胞の5 個に1 個位が正倍数性かといわれると、一番多い人でその位だと思います。もちろん、10 個中0 個ということもあります。その分布について詳しい表は作っていませんが、当院の診察室には、良い場合・悪い場合を示した表をおいていますので、参照してください。
1 人出産するのに何個の胚盤胞があれば安心か、とのことですが、個人差が大きいので何とも言えません。

平均で20 数個の卵子が必要だといっても、2 個で出産する人もいれば200 個あっても出産できない人もいて、そのバラバラな結果を集めて平均を出せば1/20というだけです。また、その1/20が、最初に現れるのか最後に現れるのかも分かりません。
3 日目胚は何個で胚盤胞1 個とカウントするか、とのことですが、胚盤胞到達率も個人によって全く異なります。平均すると分割した受精卵の3 割くらいですが、8 割9 割が胚盤胞になる人もいれば1 個もならない人もいます。

ある程度正規分布し多くの人がこのくらいで妊娠する、というラインが無いのが生殖医療の特徴です。例えば卵巣予備能の目安であるAMH も、個人差しかありません。いい人と悪い人の差が非常に大きくなっていますし、いい人も悪い人も中間のひとも同じ位たくさんいるという状態ですので、平均値を知ってもあまり役には立ちません。
二人の遺伝子のバランスが悪いために絶対妊娠できない、というカップルがいるとは私は考えていません。受精後の卵子の中では遺伝子は色々な組み換えが起こっています。ヒトの場合、卵子を古くなってから使うため染色体異常も増えていきますが、赤ちゃんまで育つ卵が必ず存在すると信じて不妊治療を行っています。


初診の時、夫も一緒に受診するべきですか?

掲載日:2021年9月15日

一緒にお越しいただけると検査がスムーズに行えます。
必ず一緒である必要はありませんが、初診時にお越し頂けない場合は後日来院して頂きます。
(事実婚の場合は初診時に必ずパートナーの方と一緒にお越しください)


初診日は生理日を考慮して受診した方がいいですか?

掲載日:2021年9月15日

特に生理日に合わせる必要はなく、生理中でも問題はありません。
すぐに治療を始めたい場合にはホルモン基礎値の検査を行える、生理日から2~5日目での受診をお勧めします。


PGT-A に向いている人、向いていない人はいますか?

掲載日:2021年9月13日

PGT-Aに向いている人は、受精卵・胚盤胞の数が多い人です。

PGT-Aは、胚の周りの「胎盤になる細胞」の一部を採取して染色体の数を検査します。染色体の数に異常がないものを正倍数性、多いもしくは少ない場合を異数性といいます。そして、正倍数性と異数性が混ざっている「モザイク」と言われる胚もあります。この「モザイク」と言われるものは、必ずしも異常とは限らず妊娠できる可能性もあります。

また、「胎盤になる細胞」と「赤ちゃんになる細胞」の染色体数は100%一致するわけではありません。なので、PGT-Aをして正倍数性の胚を移植したからといって、必ず妊娠するとは限りません。PGT-Aは、「妊娠できる胚」を選んでいるのではなく、「妊娠できない、あるいは、流産になる可能性の高い胚」を選別していると考えていただいた方が良いと思います。

胚が多くあれば、妊娠できない、あるいは、流産の可能性の高い胚を除いて移植することにより、妊娠率を上げるとともに妊娠までの時間短縮となります。
しかし、受精卵の数が少ない方の場合は正倍数性との結果が得られる胚がなく、結局、移植できずに採卵をくりかえすこともあるためPGT-Aのメリットがあまりありません。
結局、移植をしてみないと本当に赤ちゃんにまで育つ胚なのかは分からないというのがPGT-Aの現状です。


浅田LCでは移植や内膜検査の際に、抗生物質を処方しないのはなぜですか?

掲載日:2021年9月 1日

現在、感染予防で抗生物質を使わないようにというのが医学界全体の流れです。
なぜかというと、世界中で抗生物質が使用され続けた結果、抗生物質の効かない耐性菌があふれるという状況に陥っているからです(日本ではMRSAが有名です)。
従って、感染した菌が特定された場合以外は、抗生物質を使用しないというのが主流になっており、当院でも数年前から、胚移植の際の抗生物質投与は行っていません。
採卵の時には、前日に予防的に一回のみ抗生物質を投与しています。
子宮内膜検査で内膜炎になるというのは、清潔操作をしていればほとんどないことだと思います。

何か操作を行う際、清潔操作を正しくしていれば新たに菌を持ち込むことはありませんので、予防投与は必要ないはずです。
不潔なところに触り、その菌を子宮内に持ち込めばもちろん炎症が起きる可能性はありますが、検査で炎症を起こしてしまっては本末転倒です。
大切なのは清潔操作であり、何でもかんでも抗生物質で叩けばいいという昔の考えは、現在では通用しません。
実際、多くの病院で、術前・術後の抗生物質の予防投与は極端に少なくなってきており、使用する際も第一世代のシンプルなものを使用することになっています。
多くの産婦人科がお産後に感染予防の抗生物質を投与していたのも、20年から30年前の昔のことです。


移植後に歯科治療をしたいのですが、麻酔やレントゲンは影響ありますか?

掲載日:2021年9月 1日

問題ありません。妊娠中は口内環境が悪くなりやすいので、歯科治療は妊娠前に済ませておくことをおすすめします。
歯科にてお薬の処方がある場合は、当院で処方しているお薬について歯科医へのご相談をお願いします。
また、妊娠判定陽性後の歯科治療についても歯科医へのご相談をお願いします。


移植後に花粉症の薬や頭痛薬は飲んでも大丈夫ですか?

掲載日:2021年9月 1日

妊娠判定日までは、いつも服用されているお薬を服用していただいて問題ありません。
お薬を変更する場合でも、妊娠判明後の変更で問題ありません。妊娠中の服用については、主治医の判断となります。


移植はいつごろになりますか?

掲載日:2021年9月 1日

月経開始~移植、妊娠判定までのスケジュール例を作成しました。
患者様によって受診日、回数やお薬の処方が異なる事がありますが、参考になさってください。

月経2~3日目と月経9~11(13)日目にご受診いただき、ホルモン値や内膜の厚さ、卵胞発育の有無等を確認して移植日を決定します。
移植当日はコーディネーターから移植胚や妊娠判定までのお薬の説明があり、移植胚の動画をご覧いただきます。
妊娠判定は当院にて尿検査で実施します。なぜ尿検査なのか?をご参照ください。

※2022年3月 追記
現在は、妊娠判定は血液検査にて判定しています。尿件での妊娠判定は行っておりません。


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