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クリニックのワクチンに対する考え方

掲載日:2021年2月18日

最近、受付や薬剤師に問合せが多いため、COVID-19のワクチンについて当院の見解をお知らせしたいと思います。

1月27日に、日本産婦人科感染症学会と日本産科婦人科学会が、「COVID-19ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する方へ」として見解を発表しました。以下がその概要です。

1 COVID-19 ワクチンは、現時点で妊婦に対する安全性、特に中・長期的な副反応、胎児および出生児への安全性は確立していない。

2 流行拡大の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外することはしない。
接種する場合には、長期的な副反応は不明で、胎児および出生児への安全性は確立していないことを接種前に十分に説明する。同意を得た上で接種し、その後30 分は院内での経過観察が必要である。器官形成期(妊娠12 週まで)は、ワクチン接種を避ける。
母児管理のできる産婦人科施設等で接種を受け、なるべく接種前と後にエコー検査などで胎児心拍を確認する。

3 感染リスクが高い医療従事者、重症化リスクがある可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を 合併している方は、ワクチン接種を考慮する。

4 妊婦のパートナーは、家庭での感染を防ぐために、ワクチン接種を考慮する。

5 妊娠を希望される女性は、可能であれば妊娠する前に接種を受けるようにする。
(生ワクチンではないので、接種後長期の避妊は必要ない。)

どのように"考慮する"のかはっきりしない、日本流の発表でいささかがっかりしました。
ただ、はっきりしているのは、不妊治療中の患者さんが接種することは問題がない、ということです。
また、器官形成期はワクチン接種を避けるとありますが、これは一般論であり、COVID-19に限ったものではありません。

一方、米国生殖医学会(ASRM)は、昨年3月から、COVID-19流行下における患者管理等について勧告を出しており、最新版であるUpdate No.12では、不妊治療中のCOVID-19ワクチン接種について述べています。
一部ピックアップしてご紹介します。

妊娠を希望する患者または妊娠している患者に対するCOVID-19ワクチンの事実

●利用可能なデータは、COVID-19ワクチンが、女性または男性に不妊症を引き起こさないことを示している。

●Pfizer-BioNTechの無作為化盲検化試験では、ワクチン接種後に妊娠した女性の数は、プラセボを接種した女性と同数だった。
(これは、不妊症の原因ではないということを言っています)

●コロナウイルスのスパイク蛋白質とシンキチン-1(胎盤細胞融合を媒介するタンパク質)は、同じ遺伝子コードのわずかな領域を共有しているが、それ以外は全く異なる構造をしている。
ワクチンは、シンキチン-1胎盤タンパク質に対する免疫反応を誘発しない。
(ほんの一部胎盤タンパクと交差するところがあるが、それは関係ないと言い切っています)

●mRNAワクチンは注射部位の筋肉細胞に急速に取り込まれ、タンパク質が作られると細胞内でmRNAが分解されるため、胎盤を通過することはない。
(日本のお知らせと異なり、胎盤を通過することはないと言い切っています)

●COVID-19ワクチンの接種は、妊娠を考えている女性や妊娠中の女性に、自身や妊娠へのリスクを最小限に抑えるために推奨されている。

わりと事実を示しているASRMの見解と比べ、日本の見解は、臆病というかトーンダウンしたものとなっており、"ワクチン接種を考慮する"というところが、少し責任逃れのような気がしてなりません。

もう20~30年も前から、WHOは妊婦もインフルエンザワクチンを接種すべきだといってきましたが、厚生労働省はそのような中でも、妊婦さんの接種は慎重にすべきだと主張し、結局は打たない方針を採ってきました。
しかし、数年前に新型インフルエンザが流行してそのワクチンが出てきたとき、クリニックにファックスが一枚届きました。その内容は、"今までは妊婦のインフルエンザワクチン接種には慎重だったが、明日からは妊婦から優先して接種するように"という180度方針を転換したものでした。
医療者として、厚労省のワクチンに対する責任逃れは情けないと思っています。

COVID-19のワクチンに限らず、日本は世界に対して一番恥ずかしいワクチン行政が行われてきましたー子宮頸がんワクチンです。
毎年、約2,800人の女性、しかも多くの若い女性が子どもを残して子宮頸がんで亡くなり、約12,000件の子宮頸がん手術が行われています。諸外国ではどんどん子宮頸がんが減少し、10~20年も経てば子宮がんは無くなるでしょう。そんな中、日本ではいまだに子宮がんで苦しむ患者がいる、ということが容易に想像されます。

ワクチンに対しアナフィラキシーのような副作用を発症する人はいますが、そのような人に対してはきちんと補償するとともに、多くの人がメリットを享受できるワクチン行政であってほしいとずっと思ってきました。

COVID-19ワクチン、"接種しない理由はない" と、ASRMは述べています。
(Update No.11の勧告)

これを、当院の見解にしたいと思います。


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