培養室(Lab)

第32回ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)

掲載日:2016年9月15日

 7月にフィンランドのヘルシンキで開催された第32回ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)に浅田院長および胚培養士が参加しました。 ESHREは生殖医学における世界の2大学会の一つであり、世界各国から最新の知見が報告されました。 当院からはポスター発表を3題行いました。以下は発表を行った胚培養士の感想です。

学会参加の感想

第32回ヨーロッパ生殖医学会の感想1  今回、参加させていただいた国際学会は、国内の学会と比べて規模が大きく、4日間にわたって開催されました。今年のトピックの1つは昨年に引き続き着床前診断(PGS)に関する内容でした。近年、PGSに関する解析技術の向上に伴い、国際的には受精卵評価の延長線上として行われるようになってきています。しかし現状として、PGSにより得られた情報の解釈が一定ではないことや、情報の管理方法、患者さまへの情報提供方法など課題も多く残されています。そのため、国内で実施していく為には、活発な議論が必要であると感じました。PGSに関する検討は、国内よりも海外の不妊治療施設で数多く実施されています。国際学会は、これらの施設の発表や質疑応答を直に聞くことができる貴重な機会であり、国内学会では得られない世界の動向を知ることができます。

第32回ヨーロッパ生殖医学会の感想2  ヘルシンキ滞在中には、浅田院長が米国最初の不妊治療施設(The Jones Institute For Reproductive Medicine)に留学していた際に、同僚であったDr. Oskari Heikinheimo(現ヘルシンキ大学教授)にお会いしました。浅田院長は、約20年ぶりの再会だったそうで、我々胚培養士も食事をご一緒させていただきました。食事の際には、お二人の留学時代の話、本学会のトピック、フィンランドの食文化などを聞かせていただき、非常に有意義な時間を過ごすことができました。しかしながら自身の課題として、ネイティブな英語の聞き取りや、返答が難しいことを実感し、英語力を向上させたいと強く感じました。
第32回ヨーロッパ生殖医学会の感想3  ヘルシンキは、日本から飛行機で約10時間とヨーロッパ諸国の中では比較的近く、治安の良い都市でした。市内で有名な観光名所であるヘルシンキ大聖堂は、北欧らしい真っ白な外観に緑色の屋根の立派な教会であり、とても印象に残っています。マーケット広場には、オレンジ色の屋根の露店が軒を連ね、新鮮な野菜や果物、民芸品が並んでいました。そして街のいたるところに北欧雑貨のお店があり、有名な北欧ブランドであるマリメッコやイッタラでは、日本では見かけない商品や日本よりも安い値段で手に入る雑貨も多く取りそろえていました。

国際学会に参加させていただき、様々な刺激を受け、国際的な感覚や知識を吸収することができました。
この経験を患者さまの治療に還元できるように、日々努力していきます。

第32回ヨーロッパ生殖医学会の感想4


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