培養室(ラボラトリー)

低酸素環境に拘った受精卵の培養

掲載日:2015年12月18日

インキュベーター  私たちが生活している空気中の酸素濃度は約21%であるのに対し、受精卵が発育する卵管子宮内の酸素濃度は5%の低酸素環境です。そのため受精卵の培養は、温度(37℃)・酸素濃度5%が一定に保たれた環境であるインキュベーターの中で行います(季刊誌vol.9参照)。一般的に受精卵の培養では観察や培養液交換などインキュベーターの外に出す操作が必要となりますが、如何に受精卵をインキュベーターの外に出さず、低酸素環境を維持して培養を行うかということが重要になってきます。今月号では、低酸素環境を維持するために行っている当院独自の培養方法について紹介します。

従来の培養方法

 従来の培養方法は、プラスチック製のシャーレに微少に滴下した培養液に受精卵を一つずつ入れる方法(drop培養)で行われていました。この方法は様々な施設で広く行われている一般的な培養方法です。
drop培養  受精卵は、受精後から最大で7日間の体外培養を行いますが、drop培養では培養液の環境が悪化しやすく、培養7日間の途中で2回もの培養液交換が必要でした。培養液交換の操作は受精卵をインキュベーターの外に出す必要があり、低酸素環境の維持が必要な受精卵にとっては大きなリスクを伴う作業でした。

WOW dishを使用した新しい培養方法

WOW dish drop培養での問題を解決すべく、我々は「Well of the well型培養dish(WOW dish)」という新たな培養dishに着目しました。
WOW dishは直径7mmほどのくぼみ(well)の中に、さらに受精卵が1つずつ入る程度のwellが25個並んでいます。この特殊な形状により、 WOW dishは受精卵を同一well内で25個までグループで培養しながら個別に管理することが可能です。
WOW dish横から さらにWOW dishはdrop培養よりも培養液量が多く、drop培養で問題であった培養液交換を必要としないため、低酸素環境を維持した受精卵にとって最適な環境で培養することが可能となりました。次号では、drop培養とWOW dishを使用した培養成績の比較についてご紹介します。


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