培養室(Lab)
第71回アメリカ生殖医学会(ASRM)
10月にアメリカメリーランド州ボルチモアで開催されたアメリカ生殖医学会(ASRM) に浅田院長および胚培養士4名、研究員1名が参加しました。
ASRMは生殖医学における世界の2大学会の一つであり、世界各国から最新の知見が1000題以上報告されました。 当院からは、口頭発表1題とポスター発表2題の計3演題の発表を行いました。今号では、当院から発表された演題内容と、参加した胚培養士の感想を紹介します。
学会参加の感想
今回私は初めて国際学会への参加・口頭発表を行わせていただきました。院長先生の「世界に浅田を発信する」という方針を受け口頭発表での投稿を行いました。ASRMは口頭発表で投稿したとしても、6割程しか採択されないと聞いていたため、まさか口頭で採択されるとは思ってもいませんでした。発表はもちろん英語で行わなければいけないため、採択通知が来た6月末以来発表準備に追われ、発表が終わった今は心底ホッとしています。
発表内容はEmbryo Scope(季刊誌Vol.9参照)の
Time-lapse imagingを用いた演題で、第一分割前までの受精イベント(前核出現・消失)のタイミング・間隔が胚盤胞発生に関連しているという解析結果を発表しました。会場は200席ほどでしたが立ち聞きの方がいる程の満席で、たくさんの方々に当院の研究成果を発信でき大変嬉しく思いました。海外での口頭発表は大きなプレッシャーでしたが、この貴重な経験は今後の学会活動への自信になりました。
ボルチモアは飛行機でシカゴ経由にて約16時間の東海岸沿いにあり、アメリカで最も古い都市の一つです。
そのためか、メイン通りは大きなビルが立ち並ぶも、一つ道路を挟むとレンガ調の家が多く閑静できれいな街並みで自身の感覚では横浜のような印象を受けました。港町のため新鮮なシーフードを扱う飲食店が多く、名物のクラブケーキや生ガキ、生ハマグリ等を頂くことができました。国際学会に参加できたことで世界と日本の生殖医療の違い、特に文化の違いによって同じ生殖医療でも考え方が全く異なる事を肌で感じることができ、自身の見識が広がり非常に有意義な時間を過ごすことができたと感じます。
今後も最新の知見を吸収・発信していき、生殖医療に貢献していきたいと思います。
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