培養室(Lab)

第31回欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)

掲載日:2015年9月25日

学会発表内容のご紹介

ESHRE参加メンバー  6月にポルトガルで開催された第31回欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)に浅田院長および胚培養士、研究員、IVFコーディネーターが参加しました。
ESHREは世界で大きな生殖医療に関する学会の1つです。当院からはポスター発表を3題行いました。以下は発表を行った胚培養士の感想です。

学会参加の感想

ポスター発表  私はポスター発表をさせていただきました。近年、多胎防止の観点から1個の受精卵を移植する流れになっています。しかし、最も妊娠しやすい受精卵を選択することは簡単ではありません。そこで、タイムラプス機器という、受精卵の成長を動画として撮影できる培養器を用いて、成長過程を詳細に解析し、より妊娠しやすい胚を選択する、という検討を行いました。今回は、胚盤胞になりやすい受精卵を予測する因子として、分割時に生じる"フラグメンテーション"が重要である、ということを明らかにしました。特に4細胞期のフラグメンテーションは、他の因子の約3倍、胚盤胞のなりやすさを予測することができます。この時期のフラグメンテーションが少なければ、高い確率で胚盤胞になることを意味しています。これらの知見を治療に還元していきたいと思います。
会場の様子 学会場は1998年のリスボン国際博覧会(いわゆる万博)の会場を大きなイベント用に改装し直したもので、国内の学会と比べると、とても大きく、新鮮な驚きを覚えました。議論も活発に行われ、国際学会の、独特でアカデミックな雰囲気を堪能しました。今年の胚培養士のトピックは着床前診断(PGS)でした。国際的には当たり前の技術になってきましたが、日本ではまだまだ議論が足りていません。日本にどのような形で反映されるのか注目して見守っていきたいと思います。
リスボンの町並み  開催地はポルトガルのリスボンでした。街並みは古い教会やタイル作りのパン屋など、伝統的で趣きがある建物ばかりで、とても素晴らしかったです。しかし、残念ながらいたるところに落書きがあり、治安の悪さが伺えました。自身の体験として、信号待ちの数十秒でリュックのチャックを半分まで開けられるというスリ未遂を体験しました。それ以降はリュックを前に抱えて厳重警戒です。図らずも日本の素晴らしさを再認識させられた瞬間でした。
今回の国際学会に参加させていただき、様々な刺激を受け、国際的な感覚や知識・アイデアを取り入れることができました。
それらを日本の文化に還元し、患者さまの治療に貢献できるように、日々努力していきます。


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