不妊治療のQ&A

1年妊娠せず、産婦人科を受診しましたが、基礎体温も超音波検査も異常なく、排卵もしているといわれました。なぜ妊娠しないのでしょうか?

掲載日:2019年9月27日

一生懸命子作りしていれば、半年で6~7割の人が妊娠し、正常ならば1年で9割妊娠し、2年で10割妊娠します。
妊娠しなければ不妊症です。
子宮が正常、排卵もあるというのは、自然妊娠できる条件があるというだけで、妊娠できる保証でも正常の保証でもありません。
というのは、排卵された卵が卵管へ入り、受精し、分割し、子宮へ着床するという全行程のどれも確認されていないからです。
検査で正常で妊娠できなければ、今あげたどこかに異常があるとも言えます。


毎月排卵がある人でもそのうち妊娠できる卵は、年4回くらいしかないと聞きました。生理不順じゃない人でも年に4回くらいしかチャンスはないのですか?

掲載日:2019年9月27日

妊娠できるチャンスは、人によって全く違い、避妊していないとすぐにできてしまう人から、何年経ってもなかなかできない人までいます。
毎月きちんと排卵があっても、年12回しかチャンスはありません。
チャンスは、意外に少ないと思います。
月経不順ならもっと排卵は少なく、質問のように4~5回位の人もいるかと思いますが、排卵=妊娠ではありません。
妊娠できる元気な受精卵ができてはじめて妊娠につながります。
体外受精で受精卵を見ると、ひとりの赤ちゃんが生まれるには若い人でも10個くらいの受精卵が必要です。
また、若い人でも、10個中平均5~6個は染色体異常です。
年齢・卵巣の状態によりチャンスは全く違い、"人それぞれ"ですので一概には言えません。


太っていると妊娠しにくいですか?体脂肪率は高いです。

掲載日:2019年9月27日

極端に太っていると、いろいろな理由で妊娠しにくくなります。
しかし、少しふっくらしている女性のほうが妊娠しやすいと思います。
卵胞ホルモン(エストロゲン)は脂肪組織に蓄えられます。
したがって少しふっくらしている方が女性ホルモンレベルもやや高く、内分泌的には状態がよいと言えるでしょう。
極端な肥満、極端なやせ、極端なダイエット等は禁物ですが、普通の体型なら気にしなくていいと思います。
問題なのは、肥満があると、妊娠されてから合併症が起こりやすくなることがあるということです。
できたら妊娠前に体重コントロールできるといいですね。


高度肥満ですが(100kg以上)、不妊治療できますか。

掲載日:2019年9月27日

不妊治療はできますが、お産はその何十倍も危険です。
私は、過去に何度も「こんな肥満の人を妊娠させて」と非難されました。
しかし、実際に100㎏前後の人は数人治療しています。
肥満があると妊娠したあと、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病など、いろいろな障害が非常にでやすく、骨盤内の脂肪で難産になり、帝王切開の確率が高くなります。
手術後のキズの治りが悪く、血栓症になりやすくなります。
たまたま上手くいった、無事だったというのは医学ではありません。
危険が予知できればその前に対策をたて少しでも危険を少なくしておいてチャレンジするのがよいと思います。


夫婦の血液型で子供ができにくい組み合わせはありますか。

掲載日:2019年9月27日

血液型と不妊はほとんど関係がありません。
RH不適合があり、処置されなければ2人目が育たないということは有名で、血液型検査はABO型ではなくRH型を調べることを目的としています。


生理の量が減ってきた気がします。不妊と関係ありますか?

掲載日:2019年9月27日

生理は子宮内膜がはがれて出てきたものです。
生理の量が少ないということは、子宮内膜が薄い場合と子宮内膜が十分はがれない場合とがあります。
ほとんどは子宮内膜が少ない場合です。
子宮内膜は、主に卵胞ホルモン(エストロゲン)に反応して厚くなります(増殖期)。
その後黄体ホルモン(プロゲステロン)に反応して着床のために変化します(分泌期)。
十分なエストロゲンとプロゲステロンがあれば、通常は子宮内膜の量も多く、普通に生理があるはずです。
卵胞の発育が不十分とか、あるいはうまく排卵していない場合やLUF(黄体化非破裂卵胞)の場合などは、その結果として生理の量が少なくなります。
排卵がうまくいかなければ不妊の原因となります。
そういう意味で不妊と関係があるといえるでしょう。


不妊治療している人は卵子が減って、更年期が早くくるのですか?生理が早くとまるのですか?

掲載日:2019年9月27日

そういうことはありません。
卵子がパチンコ玉みたいな変化しないもので、それがひとつずつ出てくると思っているのが間違いです。
卵子はなにもしなくても、どんどん減っていきます。
私が、不妊治療で一番大きなポイントだと思うことは、皆さんに、お腹の中の卵子について正確な知識を持ってもらうこと。
そして卵子の重要性をよく認識してもらうことです。
卵子と精子が受精して受精卵ができるところからすべてが始まる。
これはだれでも知っています。
でもその卵子についてはかなり錯覚があります。
まず、卵子の大もと'原始卵胞'といわれるものは、女性がまだ胎児のうちにすでにできています。
つまり皆さんが胎児としてお母さんのお腹の中にいるときから、皆さんのお腹の中の卵子はすでにちゃんとできています。
そして、いったんできたら、それ以降は細胞分裂して数が増えることができないという、非常に特殊な細胞です。
ですから単細胞のまま、一度できたあとは数が減るだけです。
原始卵胞は、妊娠5ヶ月から6ヶ月の胎児のころが一番多く、500万個とか700万個あるといわれています。
ところが、「おぎゃあ」と生まれるときにはすでに200万個くらいに減って、思春期、つまり生殖年齢に入ったころは10万個から30万個~40万個くらいになっています。
思春期以降は、1ヶ月に1000個くらい減るといわれています。
つまり、毎日何十個も減っていくのです。
一定年齢に達して生殖のためのプログラムが起動し始めると、この卵胞を刺激するホルモンが出はじめ、ホルモンの刺激を受けて、卵胞はだんだん成長・成熟して大きくなります。
一番もとの原始卵胞からだんだん成熟して大きくなるのに、だいたい半年かかるといわれています。
そして、成熟した大きな卵胞の中の卵子が、卵胞を突き破って卵巣の外に飛び出します。
これが排卵です。
残りの卵胞はしぽんでいきます。
こうして一生に排卵される卵は月に1個、一人の女性の生涯でせいぜい400~500個といわれます。
卵子は、毎月卵巣の中で新しく生まれて成長するものと思っている人、月に1個しか卵を消費しないと思っている人は間違いです。
また不妊治療で注射を打つと、副作用で卵が少なくなると心配する人もいますが、何もしなくても卵は毎日何十個も確実に減っているのです。
早く減って、早く更年期がくると言う人がいれば、まったく理解していない人です。


良い卵子が取れるように、私に出来ることはないでしょうか?

掲載日:2019年9月27日

良い卵子がとれる方法があれば私の方が教えてほしいと思います。
結論としてありません。
何かやりたければ、骨盤の血流をよくするようにしてくださいとしか言えません。


卵子が変性卵だったとのことですが、これにはどういう原因が考えられますか。

掲載日:2019年9月27日

変性卵はすでに卵が死んでいますが卵のまわりの細胞は生きている状態、と私は理解しています。
周期によっても違いますが、体質的に変性卵を多くお持ちの方もいらっしゃいます。
普通は採卵すると少しは変性卵が含まれます。
原因は明らかではありません。


PRL(プロラクチン)が高いのは良くない事でしょうか。

掲載日:2019年9月27日

PRLが体質的に高いのは問題ないと思います。
プロラクチンは乳汁分泌のホルモンですので、妊娠中、授乳中には高くなっています。
逆に排卵しにくくし、次の妊娠がすぐ起こるのを防いでいると思います。
したがってプロラクチンが高い場合、それを下げることによって排卵しやすくなり不妊治療となります。
20年以上前は非常によく研究され、この分野では誰もがプロラクチンを研究していた時代もありました。
現在は以前ほど重要視されていません。
少々プロラクチン値が高くても月経周期が普通であれば、わざわざ下げる必要がないというのが最近のエビデンスです。
不妊治療希望でなければまったく放っておいてよいと思います(乳汁がほんの少しずつ出るかもしれません)。
PRLが非常に高い場合は下垂体腺腫も疑い、内服治療をすることもあります。


子宮の中にポリープがあるといわれました。良性でも赤ちゃんがほしい場合は、手術をすすめられました。夫の精液所見が悪く体外受精を薦められています。体外受精をする場合でも手術が必要ですか?

掲載日:2019年9月27日

場所によりますが、筋腫やポリープは着床の妨げになります。
病院で手術をすすめられたなら、妨げになる場所にあると推察されます。
卵子がよくても着床しにくいのでとった方がよいと思います。
体外受精や顕微授精で受精卵を作るのとは別の話になりますが妊娠の為には非常に重要です。


他院で治療中です。両側に3cm大のチョコレート嚢腫があります。手術と不妊治療(体外受精)とどちらを優先すべきですか?

掲載日:2019年9月27日

私ならチョコレート嚢腫を超音波下で穿刺して吸引し、卵巣の血流をよくしてから体外受精します。
手術すると大切な原始卵胞が少なくなります。
ましてや両側の手術など決してしてはいけません。


1人目を出産後、2人目がほしいなら早いほうがよいと聞きました。そうなのですか?

掲載日:2019年9月27日

間隔よりも年齢が重要です。
妊娠率は、年齢に一番関係しています。


3年間不妊治療をしています。不妊の原因がわからないと言われており、不安です。

掲載日:2019年9月27日

原因は不明でなく、赤ちゃんまで成長できる受精卵ができていないか、できた受精卵が育っていないかです。
ほとんどの場合は卵子が原因です。
妊娠するには、妊娠できる元気な受精卵ができる事がなによりも重要です。
子宮は受精卵を培養する培養器ですので、内膜が薄いなどの悪い条件がなければ大丈夫です。
いくら培養条件がよくても、本体の卵子が良くなければ妊娠しません。
ですから、いかに良い卵子をとり、よい条件で受精・培養を行ない、上手に移植するかがすべてです。
というわけで、いかに良い卵子を採取するかがポイントです。
そのためには、排卵誘発法を検討する必要があります。
体外受精であれば、精子の所見は、妊娠率にはほとんど影響ありません。
妊娠率にいちばん大きな影響を与える要因は、卵子の老化の象徴である女性の年齢です。


結婚してから避妊をしないで3年が経ちましたが、まだ妊娠していません。不妊症かどうか調べるにはどのような検査をするのですか?

掲載日:2019年9月27日

普通に性生活があって1年経っても妊娠しなければ不妊症です。
どんな原因があろうとあなたはすでに立派な不妊です。
不妊症の原因にはいろいろありますが、結論からいうと、検査では根本的、本質的な原因はわかりません。
なぜなら妊娠の現象は卵管内、子宮内のミクロの世界でおきています。
レントゲンでも超音波検査でもわかりません。
見かけの原因には精子、卵巣、卵管、子宮の障害が考えられますが、ミクロの本質的原因はピックアップ障害(卵子がうまく卵管に入れない)、受精障害、卵子の問題、着床障害があげられます。
男性は精巣でいつでも新しい精子が作られていますが、女性は、卵巣で卵子が作られているわけではなく、出生時にすでにある限られた数の原始卵胞からスタートし、年齢と同じだけ年をとった卵細胞が妊娠の主役になります。
そのため女性は年齢とともに妊娠率が下がり、流産率が上がります。


何歳まで妊娠できますか?

掲載日:2019年9月27日

生理があるうちは妊娠できると思っている人が多いですが、実は生理があがる(閉経する)約10年前から妊娠はほとんどできません。
現在平均51歳で閉経しますが、42~43歳が一般的な自然妊娠の限界です。
年齢と共に妊娠しにくくなる事はなんとなく分かっている人が多いと思いますが、妊娠の限界、生殖年齢が個人によって大きく違う事はあまり知られていません。
卵子を保存している(作っていません)卵巣内の卵子の在庫の目安である卵巣予備能は、年齢よりも個人の差の方がずっと大きく、「私はいくつだからまだこれだけの卵子が残っているはず」という事は通用しません。
最近、卵巣の予備能の指標であるAMH(アンチミューラリアンホルモン)が測れるようになり、自分の卵巣予備能が分かるようになってきました。
自分自身の生殖年齢や妊娠適齢期をAMHを測ることにより、あらかじめ設定し、悔いのない幸せな家族形成と女性の人生設計に役立ててほしいと思っています。


妊娠には卵子の質を良くすることが大事と言いますが、正確な排卵、また卵子の質を良くする方法などありましたら教えてください。

掲載日:2019年9月27日

卵子の質については一言で言えない、いろいろな内容が含まれます。
卵子は原始卵胞から約6ヶ月かかって成熟、受精可能になります。
したがって、妊娠しにくい方が成熟卵子を得るには、正しい排卵誘発が非常に重要になります。
卵子は卵巣で作られておらず、また生理が始まってから育つわけでもありません。
1ヶ月に約1000個の卵子が継続して消滅しています。
年齢とともに卵子は古くなっていくので、卵子を若返らせる、卵子を良くすることはできません。
眠っている卵子を覚まさせて、よりよい卵子に巡り合うことしかありません。
また、受精卵は染色体の組み換えがおきて一つ一つ個性、多様性を持ちます。
いずれにしても、年齢の影響を超える卵子の質を良くする方法はありません。
早く妊娠、出産することが、医学的に推奨されます。


不妊治療では副作用はあるのでしょうか?

掲載日:2019年9月27日

最も注意したいのは、排卵誘発の結果起こる、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)と多胎妊娠です。
今は有効な予防法がありますので、それを確実に実施することが大切です。
OHSSは、hCG製剤、hMG製剤を使った調節卵巣刺激で起きる副作用です。
しかし、「AMH検査でハイリスクの人を見つけ出し、hCGを使わずにGnRHアゴニストで採卵への引き金を引く」「hCGを使うロング法は行わず、アンタゴニスト法を行う」といった予防策をとれば、今では多くのOHSSを予防することができます。
現在、当院ではほとんどOHSSはありません。
OHSSの主な症状は腹水です。
重症になれば血栓症、肺水腫などを起こすと言われていますが現在ではまずないでしょう。
好発時期は「hCG投与後」ですが、現在OHSSが懸念される場合はほとんどhCGを使用しておりません。
状況に応じて、不快感を軽減する薬や重症化を予防する薬が出されるかもしれません。
多胎妊娠は、日本産科婦人科学会のガイドラインが提唱されて以降、子宮に戻す受精卵の数を決められる体外受精では、減っています。
その他、排卵誘発すると閉経が早まる、卵巣ガンが多くなるなどの声がありますが、そういう報告や証拠は現在はありません。 


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