不妊治療に「まだ大丈夫」はありえない

不妊治療に「まだ大丈夫」はありえない

結果を重視するなら時間を大切にしよう
不妊治療を不自然なものとして、「自然がいい」というドクターも確かにいます。不妊治療は長くかかるもの、気長に取り組むものだと思い込んでいる人もいます。いろいろな医療機関を転々とする一方で、何も考えず、ずっと同じところに2年も3年も通う人もいます。
そして最後になって、あなたの卵ではもう妊娠できないといわれてシクシク泣いている人がいます。あまりにも気の毒です。
プロセスを大切にしたいか、結果を大事にしたいか、また"自然"とは何をいうのか、そこをよく考えていただきたいと思います。
たとえば「妊娠しにくいから排卵誘発剤を使いましょう」というと、「自然に妊娠したい」という答えが患者さまから帰ってくることがあります。つまり薬もあまり使わず、人工授精や体外受精もやりたくないということです。
さらに、仕事をやめてゆっくりしたら妊娠できるのではないかとか、自然でリラックスした生活を送り、酒やタバコをやめれば子供ができるのではないかと言う人もとても多いです。
確かにストレスがないほうがよく排卵するし、酒やタバコはやめた方が妊娠率は上がることは確かです。仕事をやめてころっと妊娠する人もいるし、何も治療しなくても10年目にポコッとできたということもあります。でも、そうしても妊娠できない人のほうがはるかに多いのです。
これらはみんな脇役の治療です。実際に現場でたくさんの患者さまを診ている医師からすると、あまり結果に直結しません。めちゃくちゃな生活でも、貧困と飢えに苦しむ国でも、若い人はすぐに妊娠します。
まだ年齢的に余裕があるうちはともかく、35歳を過ぎると、卵巣と卵の状態は年々変わって、選択肢は本当に限られてきます。
大リーガーに行くのにNever to be late(遅すぎるということはない)と言って日本から海外へ移籍した選手がいました。でも、不妊治療にはNever to be lateは絶対にありません。あり得るのはit's too late(もう遅すぎる)の方です。結果が大事な方は、時間をよく考えてください。
結果かプロセスか?