お知らせ

Embryo Scopeの紹介

掲載日:2013年4月 6日   

当院では、本年度より最新型の培養器(インキュベーター)であるEmbryo Scope(エンブリオスコープ)を臨床に導入ました。
そこで今月号では、K-system(ケイシステム)とEmbryo Scopeを比較し、Embryo Scopeのメリットをお伝えします。

K-system

K-system 受精卵の培養は、子宮内の環境に近づけるために、温度(37℃)・気層(CO2濃度6%、O2濃度5%)が一定に保たれた環境であるインキュベーターの中で行います。受精卵の培養では、可能な限りこの環境を維持することが良好な成長へのカギとなります。左写真のK-systemというインキュベーターは1台で10箇所の個別培養スペースがあるため、蓋の開閉による気層の変化を最小限に抑えることができるという大きなメリットがあります(季刊誌vol.5参照) 。
 当院では、このK-systemを勝川・名古屋クリニック合わせて18台導入し、世界で初めて全ての患者さまに対して完全個別スペース培養を実現しました。
 しかし、K-systemを含めた多くのインキュベーターは、受精卵観察用のカメラを搭載しておらず、観察時にはインキュベーターの外にある顕微鏡を用います。
 そのため、観察時に受精卵は外気にさらされてしまいます。また、観察は一時点での評価となるため、受精時に核が出現するタイミングや分割のタイミングを知ることはできません。

Embryo Scope

Embryo Scope Embryo Scopeは、受精卵観察用のカメラを搭載し、培養中の受精卵の成長を動画として記録することが可能な最新型インキュベーターです。これまでEmbryo Scopeの臨床導入を検討した結果、従来型のインキュベーターと同等以上の培養成績が得られました。
 そこで本年度より、実際の臨床現場での使用を開始しています。

受精卵の成長をモニター上で観察するメリット
受精卵の成長をモニター上で観察Embryo Scope  受精卵を顕微鏡で観察しないため、受精卵の入った容器を顕微鏡まで持ち運ぶ必要がなく安全移植や凍結までインキュベーターを開けることなく一定の環境を維持した培養が可能成長過程を動画として記録するため、受精確認時の核が出現するタイミングや受精卵の分割のタイミングを確認することができる。これにより、今までにできなかった受精卵成長の詳細な解析が可能となり、より妊娠する可能性の高い受精卵の選択が期待できる。

当院でのEmbryo Scope使用方法

受精操作を行った翌日(約19時間後)に、受精の確認を行います。正常な受精卵には精子由来の雄性前核と、卵子由来の雌性前核の 2つの前核が見えます(季刊誌vol.7参照)。しかし2つの前核は、受精後22時間程度で融合して1つとなり消えてしまうため受精卵の成長が早い場合には、観察の数時間前に前核が見えていたにも関わらず観察時に前核が消失していることもあります。
 Embryo Scopeは受精の過程を動画として保存できるため、受精確認時に前核が確認できない場合でも、受精していないために前核が見えなかったのか、受精し前核は出現したが成長過程で消失してしまったのかの判断をすることができます。これらの特性を生かし、より確実な受精判定を行うことで、1つでも多くの正常受精卵を確保し患者さまの早期の妊娠に繋げたいと考えています。

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