培養室(ラボラトリー)

培養室(ラボラトリー)

不妊治療を行うクリニックの心臓部、患者さまの受精卵を最優先に考えたこだわりの培養室を胚培養士に聞きました。
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胚培養士ってどんなお仕事しているの?
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胚培養士の仕事

名古屋駅前クリニックの培養室を作るにあたり、気を配ったことはどんなことですか?

新しい名古屋クリニックの培養室を作るにあたり、全てにこだわり、これまで温めた考えを全て実現させました。

新しい培養室には6つのポイントがあります。 


第1のポイントは「見えるLab®」です。

胚培養士の仕事をしながらずっと疑問に思っていたことがありました。それは培養室が外から見えないので患者さんにとっても存在感がないことでした。患者さんは見えない事・見えない者への不安があり、その不安を取り除くには単純に「培養室内が見えるようにする」ことが必須だと考えました。
患者さんから見える培養室であることにこだわり、名古屋クリニックではガラス張りで中が見える培養室を作りました。
見せる事を前提とした培養室は日本で初めて(2010年現在)だと思います。
※ 「見えるLab®」は医療法人浅田レディースクリニックの登録商標(登録第5795305号)です。
培養室の様子 培養室の様子です。培養室外から見ることが出来ます。
培養室の見学ルーム 培養室の見学ルームです。生命の旅立ちをイメージした宇宙をテーマにした部屋です。
培養室の見学ルーム

第2のポイントは「全症例完全個別スペース培養」です。

受精卵を培養する培養器は通常電子レンジ程の大きさです。この容器内へ2~4症例を同時に入れて培養することが普通です。
しかし、同一のスペースに複数の症例を培養することで培養器の扉開閉回数が増え培養環境が崩れてしまいます。これを解決できる方法は1人ずつ個別スペースで培養することです。
当院では1人ずつ個別スペースで培養することにこだわり、個別培養のできるデンマーク製の培養器12台(1台10区画)を導入し、120スペースを確保しました。これは世界で最も多い台数とスペースを持つクリニックとなりました。
当院では、採卵から胚移植、そして胚移植後の観察まで全て完全個別スペース培養を実現しております。このように個別スペース培養できる施設は世界に当院(勝川クリニック・名古屋クリニック共に)だけです。
個別培養の培養器 個別培養のできる培養器です。
患者さまお一人づつのスペースで培養します。
個別培養のできる培養器 全ての患者様を個別スペースで培養できるだけの培養器を準備しています。

第3のポイントは「クリーンルームの空調:層流方式」です。

培養室は受精卵を培養する非常に綺麗で清潔な空間です。その培養室の空気環境を整えるために臨床の培養室では世界で初めて層流方式を導入しました。
層流方式は半導体を作製するクリーンルームでも採用される空調方式で、培養室内にある天井の11面の吹き出し口から床の24面の吸い込み口まで縦にゆるやかな空気が流れます。
風が舞わず、温度が一定になるというメリットがあります。
胚培養士の仕事
培養室天井吹き出し口 吹き出し口からは非常に緩やかできれいな空気が流れてきます。
培養室床吸い込み口 床の吸い込み口からは風が乱れないように空気を吸いこんでいきます。

第4のポイントは「光」です。

天井の光と顕微鏡の光の全てをLEDにしました。
受精卵は本来、母体の卵管の中で発育します。卵管の中には外からの光は届きません。まして紫外線が外から当たることはありません。そこで、培養室内の光を紫外線や赤外線を出さないLEDに全て変更し培養環境に優しい光にしました。
もちろん顕微授精に使う光にもLEDを使っています。日本には無いのでアメリカから取り寄せました(2010年)。このような光の環境に配慮しているのも世界に当院だけです。
全面LED照明 全面LED照明を採用しています。
受精卵にとって有害な紫外線と赤外線をすべて排除しています。
顕微鏡の照明もすべてLED 顕微鏡の照明もすべてLEDを採用しています。

第5のポイントは「顕微鏡の様子をモニターへ出力・録画すること」です。

これは培養室の見える化の一環で、見えない状況を無くす改善です。一般的には培養室に加え、顕微鏡の下で行われる作業も見えず、密室性が高いです。
そこで培養室の重要なポイントである「見える化」の一環として顕微鏡下の密室性をなくすために全てモニター出力し録画可能な状態にしています。熟練した胚培養士の作業をさらに安全でそして安定性を高めるために行いました。
顕微鏡の様子をモニター出力

第6のポイントは「スタッフ同士の見える化」です。

体外受精に必要な部屋は大きく分けて、培養室、精子処理室、培養事務室の3つになります。通常はこれらの部屋はそれぞれの部屋として独立し、胚培養士たちは別れて仕事を開始します。
しかし、3つに部屋で行われる業務の進行は密接に関係があり、お互いに進捗に合わせて進める必要があります。そこで仕事場はすべてガラス張りにしており、スタッフ間のお互いの仕事の状況が目で確認出来るようにしています。そうすることにより、お互いの忙しさやその雰囲気を感じることが出来て、仕事の連携がスムーズに行えることに結びつきます。
培養室の「見える化」におけるスタッフ連携のための見える化です。
胚培養士の仕事
培養室 培養室からも精子処理室の状況がわかります。
精子処理室 精子処理室からも培養室側が見えます。相互に確認しながら進めています。

受精卵の発育に特に気をつけていることは何ですか?

受精卵を発育させる環境で優先するべきことは、出来るだけ手をかけずに卵管の中の環境に近づけていくことです。
一番のポイントは採卵されてから移植するまでの間、受精卵を培養器から出すことを極力少なくすることです。当院では観察の頻度も最小限にしています。
受精卵
培養士
そして、すべての治療手順をシステム化し、高いレベルで平均化するようにしています。更に業務は2名体制で実施し、すべてダブルチェックしています。

最後にこれだけは話しておきたいことがあればぜひ!

胚培養士と言うと卵子や精子を操作しているというようなイメージを持たれている方が多くいらっしゃいますが、それは間違った認識だとここでお伝えしておきます。

我々の仕事は卵子と精子の出会いのチャンスを作り、受精卵の発育を見守ることです。

からだの外で、からだの中と同じ環境を作ることは非常に困難です。
受精卵にとって心地良い環境を守り続け、患者様の迎えをお待ちしております。
胚培養士

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